本記事では、Shokzの骨伝導ワイヤレスイヤホン『OpenRun Pro』をレビューしています。Aeropexの後継機とも言うべきモデルで、従来モデルと比較して音質が劇的に向上しています。満充電で10時間も連続再生可能で、Bluetooth5.1対応のため接続のスムーズさも特徴的。その名の通りランニングにもピッタリなモデルです。
こんにちは。ランニングするときには骨伝導ワイヤレスイヤホンを愛用している”はしかん(@hashikan3)”と申します。
骨伝導ワイヤレスイヤホンと言えば耳を塞がずに使えるのが最大の特徴ですが、通常のイヤホンに比べて構造上どうしても音質が劣ってしまうという欠点がありました。
音声配信や動画視聴には全く問題ないのですが、BGMを聴く際にはやはり音質は良いに越したことはありません。
低音域は特に苦手だったんですよね。
しかしそんな欠点を劇的に改善した新しいモデル『OpenRun Pro』がShokzから発表されました!
2021年12月29日に旧ブランド名「AfterShokz」から新しいブランド名「Shokz」になりました。
「Shokz」の方が覚えやすいし呼びやすくて良いですね!
『OpenRun Pro』の音を初めて聴いたとき、今まで使ってきたどの骨伝導ワイヤレスイヤホンでも感じたことのない「音の自然さ」と「低音の広がり」を感じ、しばらく骨伝導イヤホン独自の頭の中に音が広がってくる心地よい感覚に酔いしれてしましました。
これは今までの骨伝導の音とは全く違うぞ…!
何度も「Aeropex」と聴き比べているともう一つ気づいたのが接続の速さ!
電源を入れた次の瞬間にはスマホとの接続が完了しています。
さすがBluetooth5.1!めっちゃ速い〜!
『OpenRun Pro』の特徴
骨伝導ワイヤレスイヤホン特有の装着感の軽さはそのままに、
- 音質が劇的に改善され、特に低音がかなり強化されて自然な音質になった
- バッテリーがAeropexに比べて+2時間、合計10時間も持つ
- OpenCommで定評のある急速充電にも対応し、5分の充電で1.5時間持つ
- Bluetooth5.1対応で、起動時に接続スピードが非常に速くなった
- 充電ポートが底面から背面に移動したことでボタンが大きくなり操作性が向上
- 専用アプリでバッテリー残量の確認やイコライザー切り替え、ファームウェアアップデート可能に
既にしばらく使っていますが、一番の進化点はやはり音質の向上!
これを一度聴いてしまうと今までランニングするときにメインで活躍してくれていた「Aeropex」では物足りなくなってしまったほど…。
人間の耳とはなぜこんなにも贅沢なのか…
クラウドファンディング「Green Funding」でも歴代一位(2022年2月時点)の大人気商品となりました。
本記事ではそんな Shokz『OpenRun Pro』を写真多めでレビューしていきます!
本記事はメーカーのShokz様よりサンプル品をご提供いただき作成しています。
動画レビュー
- 音質が劇的に改善された
- 起動してから接続までの時間が速い
- 大音量にすると耳のあたりがくすぐったい
- 防水性能がIP55にダウンしている
Shokz OpenRun Pro の概要
それでは『OpenRun Pro』の概要をチェックしていきましょう。
スペック
詳細スペックはこちら。
ブランド | Shokz |
商品名 | OpenRun Pro |
型番 | S810 |
色 | ブラック、ブルー、ベージュ、ピンク(ベージュとピンクは後日発売) |
装着方式 | 骨伝導ワイヤレス方式 |
Bluetoothバージョン | Bluetooth 5.1 |
対応プロファイル | A2DP, AVRCP, HSP, HFP |
周波数特性 | 20Hz~20KHz |
マイクタイプ | デュアルノイズキャンセリングマイク |
使用時間 | 最大10時間 |
待機時間 | 最大10日間 |
充電時間 | 60分(急速充電対応で最初の5分で約1.5時間使用可能) |
大きさ(ケース) | 幅 12.5cm x 奥行 15.0cm x 厚み 6.0cm |
重さ | 29g |
防塵防水性能 | IP55等級(粉塵が内部に入るのを防止し、水の直接噴流にも有害な影響を受けない) |
保証期間 | 2年間 |
カラバリが4色あるのは嬉しいです。
発売当初はこちらの2色展開。
僕は今までずっとブラックばかり使ってきたんですが、僕の手元にあるブルーも派手すぎずシックな色合いでめっちゃ気に入りました!
メインがランニングでの使用なので、爽やかな色合いでなかなか良い感じです。
各モデルの違いをわかりやすく比較表にしてみましたのでこちらも参考にしてみてください。
各モデルの比較
モデル | OpenRun Pro | OpenMove | OpenComm | OpenRun (旧Aeropex) |
---|---|---|---|---|
位置付け | ハイエンド | エントリー | ビジネス | スタンダード |
Bluetooth バージョン | 5.1 | 5.0 | 5.0 | 5.0 |
バッテリー持続時間 | 10時間 | 6時間 | 16時間 | 8時間 |
重さ | 29g | 29g | 33g | 26g |
防水性能 | IP55 | IP55 | IP55 | IP67 |
保証期間 | 2年 | 2年 | 2年 | 2年 |
標準価格 | 23,880円 | 11,880円 | 22,880円 | 17,880円 |
レビュー記事 | 記事を見る | 記事を見る | 記事を見る | 記事を見る |
外観と付属品
一新されたブランドロゴがプリントされた外箱。今回僕の手元に届いたのはブルー。ブラックよりもカジュアルな印象です。
内容物は本体、ケース、充電ケーブルと説明書等が入っています。
- OpenRun Pro Bluetooth ヘッドホン本体
- ハードケース
- マグネット充電ケーブル 1本
- ユーザーガイド
- 保証書(2年保証)
- アプリケーションのダウンロードカード
ケースは硬いハードケースになっていて、カバンの中で圧力がかかっても本体を守ってくれる構造です。充電ケーブルを格納するゴムバンドが取り付けられてて、一緒に持ち運べるようになっています。
『OpenRun Pro』の本体を見ていきます。
基本的な構造は「Aeropex」と同じです。骨に振動を伝える振動部が細いアーチ状のフレームで耳の後方に位置する本体に繋がっていて、首の後方をぐるっと一周するようにフレームで繋がっている構造です。
左側の振動部にボタンが搭載されてて、ここで曲の再生停止や電話着信時の着信応答ができます。
振動部分は前作に比べて面積が広く、薄くなっています。また、メッシュ状の通気孔が空いたようなデザインが取り入れられています。
右側の振動部の外側にマイク穴が2つ見えます。『OpenRun Pro』も通話時のノイズキャンセル機能を搭載しています。記事後半で音質チェックもしていますので参考にしてみてください。
振動部の後ろ側にもメッシュの通気孔が設けられていたり、上部にもスリットが空いています。「Aeropex」のように全く装飾がなくのっぺりとした感じとは対照的です。
右側の底面にボリューム兼電源ボタンが搭載されています。
本体後方にマグネット式の充電ポートがあります。
「Aeropex」と比較するとこの部分の形状が変わっていて、充電ポートが後方に移動することでボタンが大きくなっています。これにより操作性が向上しています。
このマグネット式の充電ケーブルが非常に便利で、近づけるだけでピッタリくっついてくれるので非常に楽です。充電中は赤いLEDが点灯し、充電完了すると青に変わります。
OpenRun Pro と Aeropex の重さや大きさを比較
基本的な構造は変わっていませんが、振動部や本体が少しづつ小さくなっていて、全体では約20%ほど体積が減っています。
振動部は一言で言うと平べったくなった感じ。
横から見ると面積が広くなっていますが、厚みは薄くなっています。
本体部分は明らかに堆積が減っているのが分かります。合理的な形状に進化していて良いですね!
重さは『OpenRun Pro』が実測値で28.2g。「Aeropex」が25.8gで約2.4gほど重くなっています。
体積は小さくなって重さが増えているので集積度がアップしていますね!
Shokz OpenRun Pro を使ってみた感想
音質が劇的に改善された
「Aeropex」や「OpenComm」と音質を聴き比べてみましたが、音質が非常に良くなっています。低音が豊かになって、全体的に自然な音質になったイメージ。
骨伝導イヤホンの特徴は、一般的なイヤホンのように耳の中に直接装着してスピーカーによって生み出される空気の振動で音を伝える方式とは違って、耳を塞がずに骨を振動させることによって内耳に直接音を届けるという特殊な構造です。
その構造上、音質はどうしても一般的なイヤホンと比べるとどうしても劣ってしまうのですが、この『OpenRun Pro』は今までの骨伝導イヤホンと比較すると劇的に音質が改善されています。
また、もともと人が話す声は非常に聞き取りやすかったですが、変わらず聞き取りやすくWeb会議や音声通話にも全く問題なく使えました。
間違いなく骨伝導イヤホンの最高峰と言える音質です!
起動してから接続までの時間が速い
電源を入れてから接続完了するまでのスピードが速くなったと感じました。
電源を入れると音声アナウンスが流れるのですが、電源ON時の「Power On」から接続完了時の「Connected」までの間隔が非常に短く、あっという間に接続される間隔です。
突然着信があったり、急いで接続したいときには助かりますね。
装着感は相変わらず快適 ランニングにもピッタリ
Shokzの骨伝導ワイヤレスイヤホンの特徴の一つが装着感が非常に良く、長時間装着していても疲れにくいということ。『OpenRun Pro』も変わらずずっと付けていても快適です。
もともと構造的に耳の中にイヤホン本体を入れなくても良いので耳の中が痛くなったりする心配もないですし、フレーム自体の締め付けも適度な圧力なので良い感じにフィットしてくれます。
この長時間付けても疲れにくいというのは骨伝導ワイヤレスイヤホンのメリットでもあります。
僕はランニングをするときは骨伝導って決めてます。理由は「安心できる」から。
インイヤー方式の通常のイヤホンだとどうしても環境音が聞こえにくくなるので後ろから接近してくる自転車や車に気づきにくいんですよね。なので、突然視界に現れて驚くことが時々ありました。
しかし、骨伝導イヤホンを使い始めてから全くそんな心配をしなくてもよくなって、安心してランニングできるようになりました。
街や風の音にちょうど良い感じでBGMを加え、それを聴きながらランニングするのが最高に気持ち良いです!
マイクの音質がまろやかになっている
先代の「Aeropex」のマイク音質と比較すると音質がまろやかになっています。なんとなく高音域の尖った部分が丸くなって全体的に自然な音質になりました。
実際に録音してみたので参考にしてみてください。
静かな場所で録音したサンプル音声
まずは静かな場所で録音した音声をお聞きください。
OpenRun Pro
Aeropex
OpenRun Proはまろやかな音質になっています。
カフェで録音したサンプル音声
続いてCafeのような雑音のある場所で録音したサンプルをお聞きください。
OpenRun Pro
Aeropex
iPhone 13 Pro
特にiPhoneの音声と比較してもらえるとどれだけノイズが消えているかが分かりやすいかと思います。
完全に雑音が消えるわけではありませんが、そこそこノイズは消えていますね。
実際に仕事のWeb会議や通話で使ってみましたが、もともと人の声は非常に聞き取りやすい特性ですし、こちらのしゃべる声も普通に相手に届いていて全く問題有りませんでした。
マルチポイント接続が便利
これはもともとマイクブームが付いたモデル『OpenComm』の裏技的な機能だったんですが、『OpenRun Pro』でもできました!
これは、同時に2台のデバイスに接続して片方で音楽流しながらもう片方に着信があったときに自動的に切り替わってくれるといった機能です。
この機能は一度使い出すと非常に便利で後戻りできなくなってしまいます。
手順もこのあとに書いておきますね!
Shokz OpenRun Pro はマルチポイントモードに対応
僕はBluetoothヘッドセットを選ぶ際は2台同時に接続・待機可能なマルチポイントモードは必須機能なんですが、「まさかOpenRun Proは対応してないよね〜」と思ってやってみたらなんと対応していました!
説明書に書いてない機能なんですけど、従来モデルの『OpenComm』にも搭載されていた機能で、これが非常に便利なんですよね。
こ、これは定番になりつつある!
マルチポイントモードにする手順
メーカーサイトやマニュアルにはあまり詳しく操作方法が書かれていないので、こちらにまとめておきます。
マルチポイントモードをONにする手順
- 同時接続したい2台のデバイスと通常の手順であらかじめ順番にペアリングしておきます。
- 電源がOFFの状態から+ボタンを長押してペアリングモードに移行します。
- ペアリングモードの状態で、+ボタンとマルチファンクションボタンを同時に3秒長押しすると「マルチポイント接続を開始します。」といった内容のアナウンスが流れます。
- +ボタンを長押してOFFにします。
- 再び+ボタンを長押して電源をONにすると、直近で接続していたデバイスと自動的に接続されます。
- 10秒くらい待っていると、「第2デバイスと接続しました」といった内容のアナウンスが流れて2台目に接続されます。
これで2台のデバイスに同時接続されました!
しばらく待っても2台目に接続されない場合は、接続したいデバイスのBluetooth設定から手動で接続すればOK。
これで2台同時に待受可能状態となります。
僕がよくやるのは会社で作業するときに私物のスマホでBGMを流しながら、仕事用のスマホの着信があったときにすぐに切り替えて通話するという使い方。傍から見ると通話を待ち受けているように見えるのですが、実はBGMを聴きながら快適に作業しています。
マルチポイントモードをOFFにする手順も念の為書いておきますね!
マルチポイントモードをOFFにする手順
- 電源がOFFの状態から+ボタンを長押してペアリングモードに移行します。
- ペアリングモードの状態で、ーボタンとマルチファンクションボタンを同時に3秒長押しすると「マルチポイント接続を終了します。」とアナウンスが流れます。
- +ボタンを長押してOFFにします。
OpenRun Pro の操作方法
本体右側のボリューム兼電源ボタンと、左側の振動部についているマルチボタンによって操作します。
よく使うのは電源ボタンと音量ボタンですね。
音量兼電源ボタンでの操作
- 音量を上げる:音量+を押す
- 音量を下げる:音量−を押す
- 電源ON:音量+を長押し
- 電源OFF:電源ON時に音量+を長押し
- ペアリング:電源OFF時に音量+を「ペアリング」とアナウンスが流れるまで長押し
マルチボタンでの操作
- 曲の再生・停止:1回押す
- 曲送り:2回押す
- 曲戻し:3回押す
- 電話を受ける・切る:1回押す
- 音声アシスタントを呼び出す:2秒間長押し
- 通話拒否:着信中に2秒ほど長押し
操作方法は従来のモデルと全く同じです。
着信応答時には一つ注意点があり、スマートフォンとペアリングしていて着信があった際は『OpenRun Pro』のマルチボタンで応答しましょう!スマホ側を操作して応答すると、自動的にマイクとイヤホンががスマホ本体側に切り替わってしまいます。
Shokz OpenRun Pro のデメリット
大音量にすると耳のあたりがくすぐったい
僕が『OpenRun Pro』を初めて使ったときに感じたことが2つあって、一つは音質が劇的に向上したこと。2つ目が「ちょっとくすぐったい」と感じたことです。
骨伝導イヤホンは骨に音を伝えるために細かく振動するわけですが、低音が強調されている分、振動が強くなっています。そのため、BGMの音量を上げていくとベースやボーカルの低音部分がちょっとくすぐったく感じます。
これは物理的に仕方がないことなんですがね…
人の感じ方や曲によっても変わると思いますが、僕がくすぐったいと感じ始める音量はiPhoneとペアリングしている状態でだいたい70%〜80%くらいの音量から。YouTubeを観るときの丁度良い音量がだいたい50%〜60%くらいなので、それよりも大きい音量にするとくすぐったさが気になり始めます。
普段周りに人がいる場所でここまで音量を上げる機会があるかどうかわかりませんが、それなりに大きな音で聴きたいときはくすぐったさにある程度慣れる必要があります。
防水性能がIP55にダウンしている
『OpenRun Pro』の一番の惜しいポイントがこれです。
「Aeropex」の防水性能はIP67等級(一定の水圧で30分水中に浸けても問題ない)だったんですが、『OpenRun Pro』はIP55等級(粉塵が内部に入るのを防止し、水の直接噴流にも有害な影響を受けない)に下がってしまいました。
僕はなるべくガジェットをきれいな状態で使いたいタイプなので、ランニング後は必ずApple Watchもガーミンも骨伝導ワイヤレスイヤホンもサングラスも全て水洗いします。今までは水道水を流しながらジャブジャブと洗えていたのですが、『OpenRun Pro』をジャブジャブ洗うのは気が引けてしまって思いっきり洗えなくなってしまいました。
今は水をジャー!と勢い良く出すのではなく、チョロチョロと出してできるだけ勢いを抑えた状態にして軽く流し、すぐにタオルで水分を拭き取るようにしています。このやり方で既に何度か洗っていますが今のところ問題は出ていません。
音質とのトレードオフで防水性能が下がってしまったのかもしれませんが、ここは少し残念でした。
とはいえ汗や突然の雨なんかには全く問題ないほどの放水性能は持っているので、完全に水没してしまうようなことを避ければそこまで神経質にならなくても良さそうです。
まとめ
『OpenRun Pro』を使い始めてからしばらく経ちますが、ずっとメインで「Aeropex」を愛用してきた僕の正直な感想としては、「正常進化を遂げた骨伝導ワイヤレスイヤホンのフラッグシップモデル」というべきモデルだと思いました。
防水性能が若干下がったのと少し重くなったのが唯一のデメリットですが、Bluetooth5.1に対応して接続が早くなり、バッテリー持続時間も向上、そして何より音質が劇的に向上していてかなり満足度が高い仕上がりになっています。
『OpenRun Pro』はこんな方におすすめ
- 骨伝導でも音質にこだわりたい方
- イヤホンをしながらランニングしていて後ろから突然出てきた車両に驚いたことがある方
- 長時間イヤホンをしていて耳が痛くなったことがある方
- イヤホンしたいけど来客対応など環境音にも対応しなければならない方
保証期間も2年あって安心して使えるのもGood!
以上、はしかん(@hashikan3)がお伝えしました。
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