本記事では、テレワークに最適なShokzの骨伝導ワイヤレスヘッドセット『OpenComm』をレビューしています。ノイズキャンセリングマイクを搭載したマイクブームと、待機時間最大14日、使用時間最大16時間というロングバッテリーを搭載した高性能Bluetoothヘッドセットです。
骨伝導ワイヤレスイヤホンを多く手掛けるShokzから、通話性能に重点を置いた新製品『OpenComm』が発売されました。
『OpenComm』は、従来の骨伝導ワイヤレスイヤホンにDSPノイズキャンセリング・ブームマイクを組み合わせることで通話性能を向上させ、リモートワークでのWEBミーティングやインサイドセールスでの商談時など、音声の質が重要になる局面で非常に心強い存在となってくれるアイテムです。
実際に仕事でも使っていますが、人の声をクリアに聞き取れるようにチューニングされた音声品質と、声を張らずともしっかりと集音してくれるマイクブームのおかげでWEB会議が非常に快適になり、手放せない存在となってしまいました。
そして後述する2台同時接続(マルチポイント接続)機能がヤバいほどに便利です。
同社の骨伝導ワイヤレスイヤホンは、当ブログでもAeropex、OpenMove、Aeropex Play、OpenRun Proと数多くレビューさせてもらっていますが、どれも高性能で非常に満足度の高い製品です。
そして今回新しく発売された『OpenComm』も例外ではありませんでした。
通常のヘッドセットと比較してよかった点
- 長時間装着していても疲れにくい
- 自分の声をクリアに相手に伝えてくれるノイズキャンセル・マイクブーム
- 切れないバッテリー
- マルチポイント接続(2台同時接続)に対応している
- 最初から付属しているハードケース
ヘッドセットをつけたままでも対面で普通に会話できますし、電話がかかってきてもそのままハンズフリーで会話できるので非常に便利に使えます。
2021年3月には新色のブラックが追加され、今までのスレートグレイ、ライトグレーと合わせて3色のカラバリとなりました。
本記事ではそんな Shokz『OpenComm』を写真多めでレビューしていきます。
2021年12月29日に旧ブランド名「AfterShokz」から新しいブランド名「Shokz」(ショックス)になりました。
「Shokz」の方が覚えやすいし呼びやすくて良いですね!
気になるところまで読み飛ばす
本記事はメーカーのShokz様よりサンプル品をご提供いただき作成しています。
- 最大16時間もつバッテリー
- ノイズキャンセルでクリアな音声を届けられる
- マルチポイントモードが安定していない
Shokz OpenComm の概要
それでは『OpenComm』の概要をチェックしていきましょう。
スペック
詳細スペックはこちら。
ブランド | Shokz |
商品名 | OpenComm |
型番 | ASC100 |
色 | ブラック、スレートグレイ、ライトグレー |
装着方式 | 骨伝導ワイヤレス方式 |
Bluetoothバージョン | Bluetooth 5.0 |
対応プロファイル | A2DP, AVRCP, HSP, HFP |
周波数特性 | 20Hz~20KHz |
マイクタイプ | デュアルノイズキャンセリング・ブームマイク |
使用時間 | 最大16時間 |
待機時間 | 最大14日間 |
充電時間 | 60分(5分の充電で約2時間の通話に対応) |
大きさ(ケース) | 幅 12.3cm x 奥行 15.7cm x 厚み 6.2cm |
重さ | 33g |
防塵防水性能 | IP55等級(粉塵が内部に入るのを防止し、水の直接噴流にも有害な影響を受けない) |
保証期間 | 2年間 |
主な特徴としては、ノイズキャンセリングブームマイクを搭載しクリアな音声通話が可能な点と、驚異的なバッテリー持続時間により充電を気にせずに使えるところ。
待受時間が最大14日間!というのも長すぎてよくわからなくなってきますね・・。
また、IP55の防塵防水性能を有し、2年間の長期保証にも対応していて安心感があります。
カラバリは2012年3月に新色のブラックが追加され、今までのスレートグレー、ライトグレーと合わせて3色となりました。
ブラックはビジネスシーンにピッタリですね!
外観と付属品
まずは外箱からチェック。
振動部から伸びるマイクブームの写真が特徴的なパッケージ。2年保証のステッカーも安心感を醸し出しています。
開封すると現れる、ヘアライン加工されたハードケースが渋いです。
これはビジネスシーンにバッチリ合うデザイン!
内容物はコンパクトにまとまっています。
ハードケースを開けるとヘッドセット本体と充電ケーブルなどの付属品が収められています。
標準で付属するハードケースにしっかりと収納できるので、僕みたいにガジェットを大切に使いたいユーザーの心を鷲掴みです。
ちなみに本記事でご紹介するモデルの色は「スレートグレイ」となります。
- OpenComm Bluetooth ヘッドホン本体
- ハードケース
- マグネット充電ケーブル 1本
- ユーザーガイド(日本語を含む12言語対応)
- 保証書(2年保証)
『OpenComm』の全体像です。
真上から見るとマイクブームの長さがよくわかります。
下側から見ると装着したときのイメージが湧きやすいです。
右側の本体下側にオレンジ色の音量調整兼電源ボタンが付いていて、さらに右側振動部の外側にマルチファンクションボタンがあります。
マイクブームが左側の振動部から伸びている構造です。
ぱっと見た感じAeropexのような外観。
マイクブームは収納時はこのように折りたたまれた状態です。
『OpenComm』はNFCペアリングに対応しています。
『OpenComm』をペアリングモードにしてNFC対応のスマートフォンをここに近づけると、スマホにペアリング許可のダイアログが表示され、簡単にペアリングが可能です。
右側の振動部にはオレンジ色のマルチファンクションボタンがあり、これで通話の着信に応答したり、音楽の再生停止・曲送り曲戻しなどの操作を行えます。
右側についているのが音量ボタン。+ボタンが電源のボタンも兼ねています。
長押しすることで電源ON、OFFになります。
ペアリングモードは電源が切れている状態からこの+ボタンを5秒以上長押することで入れます。
音量ボタンの後ろ側に充電用のコネクタがあります。
この端子はマグネット式で、専用の充電コネクターが簡単に脱着できるようになっています。
重さと大きさ
本体の重さは実測値で34.3g。
ケースの大きさは、幅 12.3cm x 奥行 15.7cm x 厚み 6.2cmと、漫画の単行本を3冊重ねたくらいの大きさがあるので、カバンに入れて持ち運ぶ際はそこそこスペースを取ります。
音質をチェック
従来モデルよりクリアで聞き取りやすい音声に
『OpenComm』はQualcomm 3024を搭載し、今まで発売されているShokzブランドの骨伝導イヤホンの中で最高音質であると同社はうたっていますが、実際に従来モデルと聴き比べると確かに音質が向上しているのがわかります。
中音域から高音域にかけてのクリアーさが増しています!
Aeropexなどの従来モデルの音質が悪いわけではなく、聴き比べないとわからない差だと思いますが新モデルでどんどん改善されていくのは素晴らしいことだと思います。
低音域
もともと骨伝導イヤホンは低音域に弱いんですが、それでもかなり頑張っている方だと思います。
音量を上げると耳がくすぐったくなるほど振動部が震えるんですが、それでも低音域って骨に伝わりにくいんですよね。
騒がしい場所だと低音域はかき消されやすいです。
中音域
この『OpenComm』の本領が発揮されるのがこの中音域から高音域に掛けてです。
人の声が非常に聞き取りやすくチューニングされているため、オンラインミーティングや電話での通話など、人の声メインの使い方だとほぼ問題なく聞き取れます。
音楽を聴いてみても、ボーカルの声やシンセ、ストリングス系の音は特に、直接頭の中で鳴っているような感覚で聞くことができます。
高音域
高音域も非常にクリアで透明感があります。
従来モデルから曇りを取っ払い、より鮮明に高音域の音が耳に入ってくる感じです。
さすが高音質をうたっているだけのことはあります!
Shokz OpenComm の特徴
ノイズキャンセル機能は一般レベル(音声サンプルあり)
ノイズキャンセル機能とマイクの集音能力を『OpenComm』とBluetoothヘッドセット界のドン『Plantronics Voyager 5200』の2機種で比較してみました。
カフェの雑音のもとでそれぞれ録音し、比較のためにiPhone本体のマイクでも収録しました。
音声サンプルを置いておくので参考にしてみてください。
OpenCommで静かな場所で話した場合
まずは静かな場所で『OpenComm』で話すとこのような感じになります。
OpneCommのマイク(静かな場所で録音)
非常にクリア!
カフェの雑音の中で話した場合
まずはiPhone本体のマイク。
iPhone本体のマイク(カフェで録音)
「カフェにいるんだな」というのが伝わってきます。
続いてOpneCommのマイクで収録した音声がこちら。
OpneCommのマイク(カフェで録音)
雑音がかなり抑えられていますが、「後ろが賑やかだな」というのは伝わってきます。
最後にBluetoothヘッドセット界の最強モデルと言っても過言ではない『Plantronics Voyager 5200』で収録した音声をお聞きください。
Voyager 5200のマイク(カフェで録音)
食器を片付ける時のカチャカチャ音が入っていますが、それ以外は全くの無音と言ってよいほどノイズが消えています。これだとカフェに居ることが相手にはわからないかもしれません。このノイキャン性能はさすがといったところ。
『Plantronics Voyager 5200』のノイズキャンセル機能が強力すぎますが『OpenComm』一般レベルのノイズキャンセル機能やマイクの集音能力を持っていることがわかりました。
実際には職場や静かな場所で使うことが多いので、通話に関して違和感を感じたことはないです。
ただ、音声品質を重視する方には『Plantronics Voyager 5200』を検討されることをおすすめします。
16時間ものバッテリー持ち時間を実現
1日8時間として計算すると、単純計算でまる2日間も使用可能という計算に!
これ、待受時間じゃなくて使用時間です。つまり連続して16時間通話できるってこと!
実際に仕事でしばらく使っていますが、バッテリー残量を気にする頻度がかなり減りました。
待受中にボリュームボタンを操作すると、「バッテリーは充電されています。」「バッテリーはおよそ半分です。」と、残容量の目安を日本語でアナウンスしてくれるので、現在のバッテリーの状態も把握しやすくなっています。
さらに、万が一バッテリーが空になってしまったとしても、たった5分間の充電で2時間の使用が可能なため、モバイルバッテリーを常に携行している方なら全く問題ないでしょう。
充電もマグネット式でめっちゃ楽なので、充電が苦にならないです。
操作方法 ボタンは右側に集約されている
マイクブームが左側についている関係でボタンはすべて右側に集約されており、振動部についているマルチボタン、音量アップ、音量ダウンの3つのボタンで操作を行います。
マルチボタンでの操作
- 曲の再生・停止:1回押す
- 曲送り:2回押す
- 曲戻し:3回押す
- 電話を受ける・切る:1回押す
- 音声アシスタントを呼び出す:2秒間長押し
- 通話拒否:着信中に2秒ほど長押し
操作方法はShokzの従来のモデルと全く同じです。
マルチボタンの位置だけ左側から右側に移動しています。
iPhoneとペアリングしている際の着信時は、マルチボタンを押して応答することによって、『OpenComm』で通話することが可能です。iPhoneを操作して応答すると、自動的に通話方法がiPhoneに切り替わってしまうので注意が必要です。
最初はマルチボタンの位置に少し戸惑いましたが、すぐに慣れると思います。
Shokz OpenComm の便利な使い方
しばらく仕事で使っていて感じた疑問点が1つあります。
それは、2台のデバイスに同時に接続できないのか?という点。
実は2台同時接続(マルチポイントモード)に対応している
僕が仕事でメインで使っているBluetoothヘッドセットが「Plantronics Voyager 5200」という製品なんですが、これの最強ポイントの一つがマルチポイント機能で2台のデバイスと同時に接続できるところ。
この機能を使ってPCとスマホ同時に接続しておけばスマホでの通話やPCでのTeams会議の際にいちいちBluetoothの接続先を切り替える必要がありません。
普段はスマホから音楽を流しておいて、Teamsで着信があったら自動で切り替わってくれるのでめっちゃ便利なんですよね。
僕はその便利さに慣れてしまっているので、『OpenComm』も同時接続できたら嬉しいな〜と思っていたらできました!
いろんな機器とペアリングできる「マルチペアリング」にはもちろん対応していますが、それだけでなく「マルチポイント接続」で2台同時接続にも対応していたのは嬉しいです!
マルチポイントモードにする手順
マニュアルには書かれてなかったので、操作方法を書いておきます。
マルチポイントモードをONにする手順
- まずは、接続したい2台のデバイスと通常の手順であらかじめペアリングしておきます。
- 電源がOFFの状態から+ボタンを長押してペアリングモードに移行します。
- ペアリングモードの状態で、+ボタンとマルチファンクションボタンを同時に3秒長押しすると「マルチポイント接続を開始します。」とアナウンスが流れます。
- +ボタンを長押してOFFにします。
- 再び+ボタンを長押して電源をONにすると、直近で接続していたデバイスと自動的に接続されます。
- 10秒くらい待っていると、「第2デバイスと接続しました」というアナウンスが流れて2台目に接続されます。
これで2台のデバイスに同時接続されるようになります。
しばらく待っても2台目に接続されない場合は、接続したいデバイスのBluetooth設定画面を開いて手動で接続しましょう。
iPhoneとMacに同時接続してみましたが、次回以降は『OpenComm』の電源をONにすると「接続しました。接続しました。」と2回言って、自動的に2台に接続されるようになります。
これでいちいちBluetoothの接続を切り替える手間が省けて最高です!
マルチポイント接続時の動作ですが、MacからAmazon Music HDの音楽を流している状態でiPhoneに着信があると、「ププッ、ププッ」という通知音がなります。
着信を受けるときはマルチファンクションボタンを長押しで応答できます。
通話終了はマルチファンクションボタンを押すと通話が切れ、自動的にMacのAmazon Music HDが流れ始めます。
これは思っていた通りの動き!最高です!
マルチポイントモードをOFFにする手順も念の為書いておきますね!
マルチポイントモードをOFFにする手順
- 電源がOFFの状態から+ボタンを長押してペアリングモードに移行します。
- ペアリングモードの状態で、ーボタンとマルチファンクションボタンを同時に3秒長押しすると「マルチポイント接続を終了します。」とアナウンスが流れます。
- +ボタンを長押してOFFにします。
Shokz OpenComm のデメリット
マルチポイントモードが安定していない
実際に自分のiPhoneと会社のiPhoneで同時接続したり、会社のiPhoneと会社のPCとの組み合わせで同時接続してしばらく使っていますが、たまに電話の着信に応答して通話が始まった直後に、「接続しました」というアナウンスが繰り返し流れることがありました。
同じ現象が時々起こるのですが、その際は使っていない方のBluetoothをOFFにすると「接続しました」アナウンスが止まってそのまま通話を続けられます。
「接続しました」って言われても元から繋がっとるわい!と心の中で叫びながら、毎回BluetoothをOFFにしています。
マニュアルに書かれていない機能なので、正式サポートされていない可能性がありマルチポイント接続に過度な期待を寄せて購入すると不具合が出たときに残念なことになりかねないので、マルチポイント接続はおまけ機能程度にとらえていたほうが良いかもしれません。
マルチポイント接続を購入時の最重要項目にあげている方は、正式にサポートされている「Plantronics Voyager 5200」やよりスタイリッシュな「Plantroniucs Voyager 3240」を検討されたほうが幸せになれると思います。
僕はマルチポイント接続で音楽を聴きつつ着信応答できるだけで十分満足なので、多少挙動がおかしくても普通に使っています。
まとめ
『OpenComm』は、音声通話機能を強化したテレワーク時代にピッタリの骨伝導ワイヤレスイヤホンです。
『OpenComm』はこんな方におすすめ
- コールセンターでずっとヘッドセットを付けている方
- トラックやタクシーの運転手さん
- イヤホンで中耳炎になりやすい方
- インサイドセールスなど、音声品質が重要なお仕事をされている方
試しに1日中ずっと付けて過ごしてみましたが、耳を塞がないというのは本当に快適で、ときどき装着しているのを忘れてしまうことが多々ありました笑
さらに、音声品質が向上しているせいもあるかもしれませんが、人の声が頭の中に直接響いてくる感覚が従来モデルよりもさらに強くなった気がします。
これは骨伝導イヤホンでしか味わえない感覚だと思うので、ぜひ一度体験してみてほしいです。
イヤホンやヘッドセットを装着して過ごす時間はこれからますます増えていきますので、少しでも快適な環境をつくるためのツールとして『OpenComm』を活用されてみてはいかがでしょうか。
この記事が少しでも検討の際の参考になればうれしいです。
以上、はしかん(@hashikan3)がお伝えしました。
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