本記事では、『LIBRATONE AIR+(2nd)』をレビューしています。デザイン、音質、機能性、ノイズキャンセリング性能、どれも非常にレベルが高く、プロダクトとしての魅力にあふれる1台です。実際にしばらく使ってみて感じたメリット・デメリットをまとめています。
本記事でご紹介する『LIBRATONE AIR+(2nd)』をひとことで言うと、「かわいいエリート」。そんな感じ。
前評判はある程度知った状態で使い始めましたが、音質、使い勝手、デザインそれぞれの項目でかなり満足度が高く、非常に驚いています。
お値段が割と高めなので予算に余裕がある方であれば候補の一つに入れるべきイヤホンです。
- コンパクトで耳から飛び出ない
- AirPods Proよりも高音質
- SBC、ACC、aptXに対応
- 30段階で自動調整してくれるアクティブノイズキャンセリング搭載
- ワイヤレス充電対応
- 専用アプリあり
僕はApple信者で普段はiPhoneを愛用しているため、使い勝手を含めると日常的に使うワイヤレスイヤホンはどうしても「AirPods Pro」になりがち。
そのため耳が「AirPods Pro」の音質に慣れてしまっているのですが、今回この『LIBRATONE AIR+(2nd)』の音と比較してみた結果、音質は断然『LIBRATONE AIR+(2nd)』の方が良いと感じました。
また、コンパクトな見た目や取り出しやすいケース、そして周囲の環境音を検知して30段階で自動調整してくれるアクティブノイズキャンセリング機能など、使いやすさもかなり次元の高い領域でまとまっており、総合力では今まで僕が使ってきたワイヤレスイヤホンの中でも3本の指に入るほどの製品です。
ただ、イマイチな点もいくつかあったので、『LIBRATONE AIR+(2nd)』を写真多めでレビューしていきます。
本記事はメーカーのLIBRATONE様よりサンプル品をご提供いただき作成しています。
- 低音もしっかり出てクリアなサウンド
- ノイズキャンセル性能はAirPods Proには負けるけどかなり効く
- ケースが片手で開けにくい
- 外音取り込み性能がいまいち
LIBRATONE AIR+(2nd) の概要
LIBRATONE(リブラトーン)はどんなメーカー?
LIBRATONE(リブラトーン)はデンマークのコペンハーゲンにあるオーディオメーカーで、2009年に設立されました。小鳥のロゴマークはデンマークの童話作家アンデルセンの代表作「ナイチンゲール」に由来しており、中国の皇帝を美しい鳴き声で救った「さよなきどり」をイメージしています。
そんな「さよなきどり」のように「美しい音」と「自由」を信念とした、ちょっとおしゃれな感じのメーカーさんです。
それでは『LIBRATONE AIR+(2nd)』の概要をチェックしていきましょう。
LIBRATONE AIR+(2nd)のスペック
詳細スペックはこちら。
ブランド | LIBRATONE |
商品名 | AIR+(2nd) |
型番 | LTW600 |
色 | ミッドナイトネイビー、ミルキーホワイト |
装着方式 | カナル型 |
Bluetooth バージョン | Bluetooth 5.2 |
コーデック | SBC、ACC、aptX |
ANC機能 | 最大30dB |
感度 | 105dB@1mW,1kHz |
周波数特性 | 20Hz~20KHz |
連続使用時間 | 最大6時間(ケース含めて24時間) |
大きさ | イヤホン:幅 19mm x 奥行 22mm x 長さ 32mm ケース:幅 48mm x 奥行 21mm x 長さ 55mm |
重さ | イヤホン:5.5g ケース:44g |
防塵防水性能 | IP54等級 (粉塵の侵入を完全には防止できないが機器の動作には問題なく、あらゆる方向からの水の飛沫によって機器が影響を受けない) |
保証期間 | 1年間 |
主な特徴としては、Bluetooth 5.2に対応したクアルコムのQCC5141チップを搭載し安定した接続を実現している点。コーデックはSBCはもちろん、ACCに対応しているためiPhoneでも問題なく使用でき、さらにaptXにも対応しているため、Androidでも高音質で聴くことができます。
IP54の防塵防水性能も持っているため、ランニング等のアクティビティにも使えます。
カラバリはミッドナイトネイビー、ミルキーホワイトの2色。
最新のBluetooth 5.2に対応しているのは嬉しいです!
外観と付属品
まずは外箱。環境に配慮し、紙のような生分解性繊維で造られたパッケージ。
使い始めてもパッケージをずっと保管しておきたい!という僕のようなガジェオタじゃない普通の方はなるべく捨てやすい素材の方が嬉しいですよね。
お弁当箱のように蓋を開けると本体と付属品がお目見え。
今回レビューするのは2色あるカラバリのうち「ミッドナイトネイビー」になります。
美しくビニールに包まれたケース。
取り出しやすくするためにベロが付いています。
付属品は説明書の下に入っていました。
内容物はこちら。
ノイズキャンセル機能はイヤーチップのフィット感が重要ですが、最初からイヤホン本体に付いているMサイズと合わせて3種類付属しています。充電ケーブルはTYPE-A to TYPE-Cケーブルが付属しています。
- AIR+(2nd) イヤホン本体
- 充電ケース
- 充電ケーブル(TYPE-A to TYPE-C)
- イヤーチップ(S、M、L)
- ユーザーガイド(日本語を含む)
- 保証書(1年保証)
ケースはとてもコンパクトに造られていて、中央部分に小鳥のロゴマークが付いています。
蓋の開き方が特徴的で、開くとイヤホンの全体がむき出し状態になります。
従来のイヤホンのように「差し込む」のではなく、ケースに「置く」感じで収納します。
ケースから取り出した本体。非常にコンパクトで軽いです。
丸と三角を組み合わせたようなデザインで、こじんまりとしていて、とてもかわいいです。
イヤホン本体にも小鳥のロゴがあしらわれています。
イヤホンの内側には装着状態を検知するセンサーや充電用の電極が配置されています。
LRの表記もされており、左右識別も容易です。
先端部分に前後両側に穴が空いており、デュアルマイクを搭載しています。これにより通話品質を高めています。
イヤーチップは引っ張ると簡単に取り外し可能です。ノズルは短め。
使い始める前にちゃんと自分の耳に合ったイヤーチップをチョイスして装着しましょう。
後ほどご紹介する専用アプリでフィットしているかを確認できます。
ケースのLR表示部分にLEDが内蔵されていて状態によって光り方が変わります。
光り方
状態 | 光り方 |
---|---|
ペアリング | 白でゆっくりと点滅 |
イヤホンをケースにセット | 白で1回点滅 |
左右のイヤホンが同じグループではない | 赤で連続的に点滅 |
ソフトウェアアップデート中 | ピンクでゆっくり点滅 |
ワイヤレス充電にも対応しており、充電中はケースの充電ポートの外周が白く点灯します。きちんと充電されているかひと目で確認できます。
また、ケース背面のボタンを短く押すとケースのバッテリー残量を確認できます。
光り方
状態 | 光り方 |
---|---|
バッテリー残量:高 | 白で3回点滅 |
バッテリー残量:中 | 白で2回点滅 |
バッテリー残量:低 | 白で1回点滅 |
充電が必要 | 赤で1回点滅 |
ケースを開いた状態で背面にあるボタンを長押しするとペアリングモードに入ります。
ペアリング状態でスマホ側から接続するとすんなりペアリングが終わりました。
重さと大きさ
ケースの大きさは幅 48mm x 奥行 21mm x 長さ 55mmととてもコンパクトです。僕が普段一番良く使っている「AirPods Pro」と比較してもかなり良い勝負してます。
大きさとは関係ないですが、カバーの開き方が特徴的。蓋を開くと「AirPods Pro」は「差し込んで収納」するタイプですが、『LIBRATONE AIR+(2nd)』は「置く」イメージ。
しかもマグネットで簡単に定位置に収まってくれるので、取出しやすさと収めやすさが両立されています。
イヤホン本体の大きさを並べて比較してみました。
「AirPods Pro」もかなりコンパクトな部類ですが、『LIBRATONE AIR+(2nd)』もそれ以上にコンパクト。
耳に装着したときの出っ張り具合を御覧ください。
そもそも両者とも出っ張りは少ないですが、『LIBRATONE AIR+(2nd)』の方がよりスマートに見えます。
時々耳からイヤホンが飛び出てる方を見かけますが、これならそんな見た目にはならないので安心して使えますよ!
音質をチェック
コンパクトな外観だけど豊かな低音とクリアな音質を実現
『LIBRATONE AIR+(2nd)』はQualcomm QCC5141チップを搭載し、2020年に発表されたBluetooth5.2に対応しています。2021年12月時点での最新規格で、接続元デバイスが対応していれば低電力かつ低遅延での接続が可能です。
コーデックはSBC、ACC、aptXに対応していますので、iPhoneでもAndroidでも高音質、低遅延で音を楽しめます。
YouTubeを見ても喋っている口元と声のタイミングはほぼ同じ。aptX対応のAndroidスマホと組み合わせたときが一番遅延が少なかったです。iPhoneとAirPods Proとの組み合わせと全く同じくらいの遅延の少なさでした。
低音域
しっかりとドライバーが動いているのを感じます。
「AirPods Pro」の方は若干粗く感じるんですが、『LIBRATONE AIR+(2nd)』は密度が濃いと言うか、低音の厚みを感じます。音に滑らかさがあって流れるような重低音を楽しめますね。
中音域
僕はApple Musicでチル・ミックスをよく聴くんですが、落ち着いた感じの楽曲ってボーカルの声がめっちゃ重要じゃないですか。その点この『LIBRATONE AIR+(2nd)』は男性ボーカルも女性ボーカルも、しっかり鳴る低音に負けずにクリアで心地よい歌声を届けてくれます。
高音域
高音域の良し悪しが音の広がりや伸びを決めると思いますが、粗さを感じることなく音の広がりもしっかり感じることができます。今回は「AirPods Pro」と有線イヤホンの「SIMGOT MT3 PRO」を聴き比べました。さすがに有線の音の厚みや繊細さには敵いませんが、ワイヤレスイヤホンとしてはかなり高音質な部類に入ると思います。
特に、aptXに対応したAndroid端末と組み合わせて使った場合に音質の良さを感じました。
iPhoneとの組み合わせも良いですが、それ以上にaptXでの接続時に高音質を楽しめます!
LIBRATONE AIR+(2nd) の特徴
コンパクトで軽い本体
やはり「小さい」は正義ですね!
ポケットに入れても全く邪魔になりませんし、カバンに入れても全く邪魔になりません。ケース自体も丸みを帯びているので取り出しやすいです。
イヤホン本体も耳から飛び出ないコンパクトさ。
このコンパクトな本体に様々な機能が凝縮されていると思うと本当に関心します。
相手の声が聞き取りやすく通話も問題なし!(音声サンプルあり)
『LIBRATONE AIR+(2nd)』を使ってiPhoneで普通に電話回線を使った通話と、LINE通話を試してみました。
静かな場所での通話はもちろん全く問題なく、相手の声もクリアに聞こえ、こちらの音声も相手にしっかり伝わっていました。
マイクの集音性能を「AirPods Pro」と「iPhone内臓マイク」の2つと比較してみましたので参考にしてみてください。
LIBRATONE AIR+(2nd)のマイク
AirPods Proのマイク
iPhone 13 Pro の内蔵マイク
『LIBRATONE AIR+(2nd)』の音はホワイトノイズが若干乗っているものの、声は聞き取りやすいです。「AirPods Pro」は最初の立ち上がりが音量が小さく、感度調整されているのが分かります。iPhoneの内蔵マイクはさすがと言った感じで静かな場所では非常にクリアな音質で録音できていました。
『LIBRATONE AIR+(2nd)』のデュアルマイクでしっかり声も拾えています。
専用アプリで細かく設定できる
『LIBRATONE AIR+(2nd)』には専用アプリが用意されています。
Libratone
Libratone無料posted withアプリーチ
アプリストアで検索すると小鳥アイコンのアプリが出てきます。これをインストールしアカウント登録すればイヤホンやケースのバッテリー残量を確認したり、イヤホンタップによる動作設定、音質やノイズキャンセルモードの切り替え等ができるようになります。
また、自分の耳にあうイヤーピースを選ぶ際の手助けをしてくれる機能も搭載しています。
イヤホンを耳に装着した状態で「装着状態テスト」を実行すると、短い音楽が流れてテストしてくれます。左右個別にイヤーチップが合っているかをわかりやすく表示してくれるので、付属している3種類のイヤーチップから最適なサイズを選ぶことができます。
『LIBRATONE AIR+(2nd)』はタップによる操作が可能です。
左右それぞれ、ダブルタップとトリプルタップの2つの操作に対応していて、どの機能を割り当てるか任意に設定できます。
つまり、合計4つの動作を左右2つずつに分けて割り当てることができます。
僕は右に再生停止とノイズキャンセルモード切り替えを、左に曲送りと曲戻しを設定しました。
音質の切り替えは4種類から選択できます。
モード | 音質 |
---|---|
スマートモード | 装着状態に応じて自動的に調整し優れたサウンドを提供します。 |
通常モード | オリジナルに近い音質です。 |
低音強調モード | 低音を強調し、より迫力のある音声を楽しめます。 |
高音強調モード | 高音を際立たせ、一層澄み切った音を奏でます。 |
僕はスマートモードで使っています。自動調整してくれるので、特になにもしなくてもバッチリ良い音で聴くことができます。
30段階に自動調整してくれるノイズキャンセルが秀逸
ノイズキャンセル機能がかなり秀逸ですね。
「モニタリングモード」、「COMFORTモード」、「調整可能なモード」の3つのモードを切り替えて使えます。
モード | 動作 |
---|---|
モニタリング(外音取り込み)モード | 周囲の環境音が聞こえるようになる |
COMFORTモード | 環境音に応じてノイズキャンセルの強度を自動調整してくれる |
調整可能なモード | 30段階でノイズキャンセルの強さを手動調整できる |
LIBRATONE AIR+(2nd) のデメリット
片手だとケースが開けにくい
ケースがコンパクトで丸みを帯びているので手が引っかかる部分がもともと少ないうえ、蓋の形状が特殊なのでちょっと開けづらいです。
両手で開けるときは片手で下側を持って、もう片方で鳥のアイコン部分を親指で上に押し上げるようにすると開きやすいです。
ただ、片手だとほぼ開けるのは無理。「AirPods Pro」はその点、フタ部分にもちゃんと指が引っかかる切り欠きがあるので片手でも余裕で開けられます。
取り外すときは片手でケースを開きながら片手でイヤホンを外してケースに収めるという動作が「AirPods Pro」ではできたのですが、『LIBRATONE AIR+(2nd)』だとそれができないのでまず両手でケースを開けておいてから片耳ずつ外すというやり方になります。
ケース開ける前にイヤホンを外してしまうと手がふさがってしまい、あたふたしちゃいます。
外音取り込み性能はAirPods Proに劣る
もう一つ残念な点が「外音取り込みモード」の性能がいまいちなところ。
スタバでコーヒーを注文する際、「AirPods Pro」を装着したまま店員さんと会話することが多いのですが、今まではそんなに違和感を感じませんでした。しかし『LIBRATONE AIR+(2nd)』で同じことをやってみたところ、思ったより人の声が聞こえづらく、2回くらい店員さんに聞き返してしまいました。
それもそのはず、後で聴き比べると明らかに外音取り込み時の音の大きさが違いました。
イヤホンの外観から判断すると、「AirPods Pro」は外音取り込み用のマイク(黒い部分)が大きいですが、『LIBRATONE AIR+(2nd)』は通話用のマイクを使って音を拾っているみたいなので、これも性能差が生じている原因の一つかもしれません。
今後ファームウェアのアップデートで改善されたりしないかな…
高めなお値段
『LIBRATONE AIR+(2nd)』のお値段は2021年12月現在でAmazonで約2万6千円。結構お高めな値段設定です。
そして、これくらいの価格帯であれば正直かなり選択肢が広がります。
もう少し頑張れば「AirPods Pro」やSONY「WF-1000XM4」、ゼンハイザー「MOMENTUM True Wireless 2」なども視野に入ってくるお値段なので、そんな中であえてこの『LIBRATONE AIR+(2nd)』を選ぶ価値をどこに見出すかってところですね。
僕が感じた『LIBRATONE AIR+(2nd)』の優位性としては、やはり「コンパクトで見た目がスッキリしていて、かつノイキャンもよく効いて音が良い」ってところだと思います。
僕が今まで使ってきたどのワイヤレスイヤホンよりも装着したときの出っ張りが少なく、見た目がスッキリしているってところは間違いなく良いですし、デンマークのスカンジナビアデザインでちょっと他のイヤホンにはないオシャレ感があるのも事実です。
どちらかと言うとホワイトの『LIBRATONE AIR+(2nd)』を女性がつけて楽しむのが似合いそうなワイヤレスイヤホンだと感じました。
かなりピンポイントですが、aptX対応のAndroidスマホを使っていて、見た目スッキリなANCワイヤレスイヤホンを探している女性にピッタリのイヤホンだと思います!
まとめ
本記事では『LIBRATONE AIR+(2nd)』をレビューしました。おしゃれかつコンパクトなワイヤレスイヤホンで、30段階で自動調整してくれるノイズキャンセル機能やその小ささからは想像できないほどクリアでパワフルな音質を楽しめます。
『LIBRATONE AIR+(2nd)』はこんな方におすすめ
- aptX対応のAndroidスマホを使っている方
- ワイヤレスイヤホンが耳から飛び出ているのが許せない方
- AirPods Proじゃないノイズキャンセルワイヤレスイヤホンを探している方
- 個性のあるおしゃれワイヤレスイヤホンを探している方
僕はAndroid端末でaptXで接続して楽しむのが非常にしっくり来たので、iPhoneには「AirPods Pro」を、Androidスマホには『LIBRATONE AIR+(2nd)』をそれぞれペアにして使うことにしました。
デザイン、音質、機能性全てにおいて高い次元でまとまっているイヤホンであることは間違いないので、よくわからない安いイヤホンを買ってしまうよりは、ある程度の値段だとしても間違いないイヤホンを選んだ方が失敗せずに済みます。
この記事が少しでも検討の際の参考になればうれしいです。
以上、はしかん(@hashikan3)がお伝えしました。
コメント
コメント一覧 (2件)
イヤホンの本体のカバーってないですよね?
きむさん、こんにちは。
ちょっと探してみましたが、イヤホン本体のカバーはなさそうですね。
ちなみにケースの保護カバーはMakuakeでプレゼントとして配られたものがあるみたいですが、市販はされていなさそうです。