本記事では2020年5月12日にJAPANNEXTから発売された32型4K『JN-IPS320CUHDR-N』を写真多めでレビューしています。購入直後は不具合に見舞われて失敗したかと思いましたが、満足のサポート対応やちょっとした工夫でデスクトップのメインモニターとして常用できる激安4Kモニターでした。
会社帰りの電車の中で新しいガジェットの発売情報をチェックしていたところ、2020年5月12日にJAPANNEXTから新しく32型4K液晶ディスプレイ『JN-IPS320CUHDR-N』が発売されるとの情報を発見!
TYPE-Cポートを搭載し、アンチグレア(非光沢)、「HDR10」や「FreeSync」にも対応しておりメーカーサイトの写真見るとなんだかベゼルレスでかっこいい・・。
ポチー!
気付いたらポチっていました・・・。
しかし・・・。
実際に商品が届いた直後は買ってしまったことを非常に後悔しました・・・。
理由は酷いドット抜け(パネル内部へのゴミの混入かも)があったから・・・。
「失敗したー!」と思ったのですが、サポート対応が素晴らしく買って1週間もしないうちに不具合のない新しいモニターが届きました。
また、ちょっと工夫すればPCとのTYPE-C1本運用ができそうなので、その点を考慮すればコストパフォーマンスの高い激安大型4Kモニターとして常用できそうです。
- 購入直後、ドット抜けまたは異物混入と思われる箇所が4箇所も・・・→即日新品交換してくれました
- 質感やデザインがいまいち・・・→気にしなければOK
- TYPE-Cは15Wしか出ないので、そのままではMacBook ProなどのPCは使いながら充電できず、TYPE-C1本運用は不可能?・・・→TYPE-Cハブと組み合わせれば解決可能
それでは写真多めで記事に残しておきますので、ご検討の際の参考にして頂き、失敗しない買い物の一助になれば嬉しいです。
JN-IPS320CUHDR-N の概要
スペック
スペックはこちら。
ディスプレイサイズ | 32インチ(16:9) |
液晶パネル | IPS-AHVA液晶パネル |
解像度 | 4K(3840 x 2160) |
リフレッシュレート | 60Hz |
輝度 | 300 cd/m² |
コントラスト比 | 1000:1 |
応答速度 | 5ms |
電源 | 24VDC/3A |
映像入力 | 標準HDMIx1、USB Type-C、DP |
サウンド出力 | ヘッドホン端子x1 |
スピーカー | なし |
本体サイズ(幅 X 奥行き X 高さ) | 730 x 510 x 11 mm |
本体重量 | 624g |
USB TYPE-Cポート供給電力 | 5V – 3A(15W)MacBookなどは電池が減っていきます。 |
スペックだけ見るとそこそこいい感じに見えるのですが、残念なのがTYPE-Cポートの非力な電力。
15WまでのスマホやNintendo Switchといった小型デバイスには問題なく充電できますが、ノートPCへは充電するもののバッテリーは徐々に減っていきます。
MacBook Proは60W必要なので、全然足りませんね・・。
PCへの充電もTYPE-Cケーブル1本でやりたいとお考えの方は、このモニターだと追加の機器が必要です。
その機器とは、TYPE-Cハブです。
TYPE-Cハブを使えば、電源となるTYPE-CケーブルとモニターからのHDMIケーブルをこいつに接続しておいて、PCへはTYPE-C1本だけ繋げばOKです。
(モニターへの入力をTYPE-Cにしたかったのですが、このTYPE-Cハブではできませんでした。)
外観と付属品
外箱は至って普通のパッケージング。
内容物一覧はこちら。
- ディスプレイ本体
- 標準HDMIー標準HDMIケーブル 1本
- TYPE-CーTYPE-C(USB3.1 Gen2)ケーブル 1本
- 電源アダプタ
- 電源ケーブル
- スタンドの足
- スタンドの足取り付け用ネジ3つとプラスドライバー1つ
- 取扱説明書
- 保証書
組み立ては非常に簡単で、スタンドの足を付属のネジとドライバーで固定するだけ。ドライバーも付属していたので、この点は良かったです。
素材は金属で、質感はマットなブラックです。
では本体から。
まずは正面から。遠目に見るとベゼルレスで結構カッコいいです。
スピーカーは搭載していないので音を出したい場合は外部スピーカーと組み合わせて使う必要があります。
裏側は正直カッコいいとは言い難い造形。
設置する際にモニター裏側が見えないレイアウトなら問題ないので、気にしない方には問題点にはなりませんが・・。
100mmのVESAマウントは搭載しているので、2連モニターアームに並べて取り付けて、トレーダーや監視カメラの常時点灯モニターなんかには安くて良いかもしれません。
続いて横から。このとおり非常に薄いです。
コネクタやVESAマウントがある部分だけ厚みがあります。
それでは本体の細部を細かく見ていきましょう。
フレーム中央下部に「JAPANNEXT」のロゴ。シルバーのインクでプリントされています。
プリントってのがチープですが、そんなに主張してなくて許せる範囲かと。
右下のメニュー配列も同じくプリントです。
ベゼルは液晶の表示部分まで約1cm。ベゼルレスと言って良いと思います。
ディスプレイの側面はシルバー。
ベースは金属フレームですが、一番外側はプラスチックです。
細かい部分を見るとデザインや質感はどうしても安っぽく見える部分も。
裏側のポートは全て向かって右側に配置されています。
TYPE-Cケーブルの長さに注意が必要です。
ポートは上からHDMI、DP、TYPE-C、TYPE-Aが2つ、イヤホンジャック、電源ポートとなっています。
電源内蔵タイプではないので、外部ACアダプタとなっています。大きさは約14cmほど。
大きさ
32インチともなるとかなり大きいです。高さは約51cm。
横幅は約73cm。
スタンド部分の奥行きは約16cmあります。
幅110cmのデスクに置いてみました。両サイドに外部スピーカーを置けるくらいのスペースはあります。
細かいところを気にしなければそこそこカッコいいかも。
裏側を壁に向けて設置するのがおすすめです。
主な機能
チルト機能
上下の角度だけ調節可能です。上向きの最大角度がこちら。
少し下向きになるまで角度が付けられます。
ちなみに横方向への回転はできません。
メニュー構成
ディスプレイ右下にあるボタンで各種設定が可能です。
ボタン配列は左からMenu兼決定、左、右、戻る兼ソース選択、電源ボタンです。
メニュー画面は見たことのある表示。Amazonなどでよく売られているモバイルディスプレイと同じ制御基板を使っているようです。
明るさは初期値だと20ですが、これでも結構明るいです。調整して30にするとちょうどいい感じですね。
アスペクト比は16:9と4:3が選択可能です。
色設定は、ユーザー設定、暖色、冷色の3つから選択可能。
OSD設定。このメニュー表示に関する設定です。透明度を出すとかっこよく見えます。
HDRの切り替え設定。初期値はOFFになっています。
入力切り替えは自動ですが、手動でも設定可能です。
その他、オートオフ、ブルーライトカット、FreeSyncなどの設定が可能です。
入力が切り替わると右上に表示されます。
特徴と使ってみた感想
付属のTYPE-Cケーブルは70cmと短め
付属のTYPE-Cケーブルの長さが70cmしかないうえ、ポートが右側に付いているので、TYPE-Cケーブルがこのあたりまでしか伸ばせません。
右側にPCを設置する場合はこれでもよいのですが・・・。
左側にポートがあるPCだと、最大でディスプレイ中央付近までしか移動できません。
この場合は長めのTYPE-Cケーブルを追加で購入する必要がありそうです。
電源LEDは青
メーカーHPのスペックには「緑」と記載されているのですが、実際は「青」でした。
青の方が良かったのでこれは嬉しい誤算。
ただ、LEDが点灯しているのかはほとんど見えません。隙間から漏れている光を覗き込んでようやく見えるレベル。
スタンバイ状態だと赤になります。
起動直後のロゴ表示。
色合いと画質
色合いや画質は申し分ない性能です。
初期設定のままでも不自然さは全くないですし、ある程度色調整もできるので、普通に使えると思います。
黄色っぽいとか青っぽいとかは特に感じません。
PC内蔵モニターと比較してもほぼ遜色無い色合いとコントラストです。
4K映像の美しさはさすがと言った感じ。青も非常に美しいです。
60fpsの4K動画なんかは普通にヌルヌルで、しかも視界がほぼモニターなので、没入感がすごいです。
いつまでも見ていたい青い海と空。
画質や色合いはこの安さからすれば最高です。
「Fire TV Stick 4K」との組み合わせは最高です。
「Fire TV Stick 4K」の画質設定を色深度12bitの最高設定にしていますが、普通に表示されています。
4Kコンテンツを再生すると、4KかつHDRのあかし「Ultra HD HDR」の表示になっているのがわかります。
ちなみにポート付近は非常にスッキリしているので、「Fire TV Stick 4K」も直接接続可能です。
USBハブとして機能する
TYPE-CでPCと接続している際に、ディスプレイのUSB TYPE-AポートにUSBメモリを接続するとPCで認識可能です。
つまりUSBハブとしての機能も備えているということ。
裏側だと不便なので、延長ケーブルで手元にTYPE-Aポートを持ってきておけば便利に使えそうです。
Nintendo Siwitch はTYPE-Cで接続可能
試しにNintendo Switchを接続してみたところ、問題なく映りました。
スピーカーは非搭載のため、音はディスプレイのイヤホンジャックから外部スピーカーに接続して出す必要がありますが、ここまで大きいと迫力がすごいです。
もちろん解像度はFHDとなります。
残念なポイント3つ
ドット抜けあるいはゴミの混入が4箇所ある不具合品が届いた
ここ1年半で5台ものモバイルモニターを購入した私ですが、その中で1台もドット抜けはありませんでした。
ドット抜けはメーカー側は「正常です」という主張が一般的ですが、ユーザーとしてはできれば遭遇したくないもの。
当然個体差があるので、ドット抜けが全く無い個体もあるはずです。
しかし今回私が引いたモニターは酷かった!4つもドット抜けあるいはゴミの混入と思われる箇所がありました。
大型の4Kモニターを購入するのは初めてで、期待していたぶんショックがハンパなかったです・・。
ドット抜けその1
これが一番酷く、「1ドット」じゃなくて5ドットくらいの塊で抜けてます。
よく見るとゴミのようにも見えます。
ドット抜けその2
これもドットレベルの話じゃなく、線です。
ほこりが混入しているようにも見えますね。
ドット抜けその3
これは「ドット抜け」と呼んでいいレベル。
ドット抜けその4
画面中央付近にも滲みが。
百歩譲って「その3」と「その4」は我慢できるとしても、「その1」と「その2」はドット抜けレベルの黒点には見えません・・。
サポートに問い合わせしてみた
ドット抜けに関してちょっと調べてみたところ、「一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)」に「パソコン用液晶ディスプレイのドット抜けに関する定量的表記ガイドライン」という基準を発見しました。
このガイドラインでは、各メーカーに対し「ユーザーがわかりやすいように定量的に表記してね!」と具体的な表記例もふまえて説明されています。
JAPANNEXTのサイトを見ると「保証について」ページに以下のような記述を発見。
下記に記載された症状は、モニターの正常な状態です。保証外となります。
常時点灯または点灯していない画素が数点ある場合があります。 これらは液晶ディスプレイの特性であり、故障ではありません。99.99999%以上の有効表示画素がありますが、0.00001%以下の画素の問題につきまして は、正常品となります。
http://japannext.net/wp/jn-t280uhd-4k%e6%b6%b2%e6%99%b6%e3%83%a2%e3%83%8b%e3%82%bf%e3%83%bc%e3%80%80%e3%82%b9%e3%83%9a%e3%83%83%e3%82%af/ から引用
(JAPANNEXTのWEBサイトはSSL対応されていないため、リンクを外してあります。)
商品に付属の取り扱い説明書には定量的な基準が明記されていなかったのですが、WEBサイトにはきちんと記述があって少し安心しました。
この基準で1ピクセル=3ドットで計算すると、4K(3840 x 2160)の場合
0.00001% = 2.48832
となり、2ドットまではドット抜けしていても正常品の範囲内ということになります。
ドット抜けの基準となるドットの定義についてはこちらのサイトがわかりやすいです。
今回手元に届いたディスプレイは、ドット抜けだとしても明らかにこの基準を超えてますし、黒点を拡大して見るとゴミのようにも見えるので、サポートに連絡を入れてみることにしました。
平日の夜にドット抜け部分を撮影した写真とともにサポートにメールを送っておいたのですが、翌日の午前中にはメール返信がありました。
リモートワークが増えて問い合わせが多い時期なので、返信に時間がかかるであろうと思っていたのですが、かなり対応は早かったです。
メールの内容としては、
「既定値外の症状が発生していることが確認できたので、動作確認済みの新品を送ります。」
とのこと。
ほっと一安心です。
しかも先出しで送ってくれて、返送は同梱の着払い伝票を貼って出すだけ!
質感やデザインがいまいち
ディスプレイ背面がよく見える格好で設置予定の方は注意が必要です。
薄型モニターな点は良いのですが、薄いだけで裏側の見栄えはあまり考慮されてデザインされているとは思えません。
ちょっとオシャレなデザイン事務所にこれが置いてあるのは到底想像できないですね・・。
そして見るからにプラスチック!といった素材感。さらにピラミッドっぽい造形・・。
さらに、よーく見るとディスプレイの縁にバリ取りが甘い部分があったり、あまり丁寧に作られていない印象を受けます。
この辺は安さとのトレードオフで目をつむるべきポイントなのかもしれませんね・・。
15WしかないTYPE-Cポート
TYPE-Cポートを備えているのに供給電力が15Wまでしか対応していないというヘンテコな仕様。
そのためPC使用中に充電できず、バッテリーが減っていきます。
ただ冒頭に書いたとおり、PCへの充電もTYPE-Cケーブル1本でやりたいとお考えの方は、このモニターだと追加の機器が必要です。
その機器とは、TYPE-Cポートを2つ持ったTYPE-Cハブです。
JN-IPS320CUHDR-N のレビューまとめ
本記事では「JAPANNEXT JN-IPS320CUHDR-N 」をレビューしました。
ちょっと気になった点
- 購入直後、ドット抜けまたは異物混入と思われる箇所が4箇所も・・・→即日新品交換してくれました
- 質感やデザインがいまいち・・・→気にしなければOK
- TYPE-Cは15Wしか出ないので、MacBook ProなどのPCは使いながら充電できず、TYPE-C1本運用は不可能?・・・→TYPE-Cハブと組み合わせれば解決可能
良かったポイント
- 4K画質や色合い、明るさについては非常に満足。メインモニターとして常用できるレベル
- 非常に薄くコンパクトで置き場所に困らない
- スピーカーを内蔵していない潔さはGood。音質重視の外部スピーカーユーザーには高ポイント
- サポートの対応は100点!既定値をオーバーしたドット抜けや異物混入は交換してくれる
このモニターはこんな方向けの製品だと感じました。
- 品質やデザイン少しは目を瞑ろう!とにかく4Kで大きくて安いモニターを導入したい
- 個人用ではなく業務用として安く4Kモニターを導入し、使い倒したい
- お店のデジタルサイネージとして使いたい
- TYPE-C1本でPCと接続できるけど、PCへの充電はできなくてもいい
- スピーカー非搭載の安くて薄い4Kモニターを探している
また、シンプルな構成でTYPE-C1本でPCと接続して常時運用したいとお考えの方は、このモニタ以外に、60W以上のUSB PDに対応した別のモデルもあります。27インチですが「Dell U2720Q」や「LG 27UL850-W」など60W以上の出力があります。
以上、はしかん(@hashikan3)がお伝えしました。
コメント
コメント一覧 (3件)
詳細なレビューをありがたく拝見しております.
1つ気になる点があるのですが,VESAマウントでの運用を考えておりモニタ裏のピラミッド部分から出ている脚は取り外し可能でしょうか?
それから200mm*200mmサイズのVESAマウントだとピラミッド部分が干渉してしまいそうですが,この部分から取り外すことも可能でしょうか?
AKさんはじめまして。
コメント頂きありがとうございます!
ご質問の件ですが、「おそらく」外れます。
というのも、このモニターは既に私の手元にないため実機での確認ができないのですが、実際に同機種でモニターアームを使っている方がいらっしゃいました。
32inchディスプレイ、モニタアーム、キャスター付スタンディングデスクの組み合わせが最強だった
これを見ると外れていますよね。
ピラミッド状のカバーを外したところにネジ止めされてそうなので、200mmでも行けるとは思いますが、実機で確認したわけではないのでその点だけご了承ください。
なるほど,ありがとうございました.