本記事ではHUAWEIの高性能スマートウォッチ『HUAWEI Watch GT Runner』をレビューしています。Garmin系の本格派GPSランニングウォッチと同等以上の機能を持ちながら比較的安く導入でき、これからランニングを始める方や、他メーカーから乗り換えを検討されている方におすすめのスマートウォッチです。
ランニング用のスマートウォッチをお探しの方。このスマートウォッチを選択肢に入れないのは、人生損しているかもしれません。
このスマートウォッチをひとことで表現すると、「ランニング中の気分が上がるランナー向けGPSスマートウォッチ」という言葉がしっくり来るなと言うのが僕の印象です。
僕もスマートウォッチは5種類くらいレビューしていますが、ここ最近のスマートウォッチは安いのに高性能かつ外観も非常に高級感があり、コスパが素晴らしいです。
この『HUAWEI Watch GT Runner』も例外ではありません。というか、これがその筆頭というべき存在です。
しばらくの間、このスマートウォッチを付けて生活していますが、通常のスマートウォッチの機能にくわえ、トレーニングプランを計画したり、現在の自身のパフォーマンスを計測する機能や、トレーニング負荷を計測して次回のトレーニングまでの回復時間を表示したりと、アスリートにとって非常に興味深い機能を豊富に搭載しています。
ランニングGPSウォッチといえば、以前はGarminやSuntoなどのもともとアスリート向けGPSウォッチをリリースしていたメーカーのみの専売特許みたいなイメージがありましたが、最近はそんなことは全くなく、アスリートにも十分通用する性能を誇っています。
『HUAWEI Watch GT Runner』 の特徴
- ランニング中のウォッチからのアナウンスが気分を上げてくれる
- 高級感のある外観
- 高性能な割には値段が安い
- ランニングに特化した機能が豊富
- 動きがヌルヌルで非常になめらか
- 約1週間充電不要のバッテリー持ちの良さ
これであとキャッシュレス機能があればフル装備なんですが、逆に言うとそれ以外の機能はほぼ全て搭載していて実売価格2万円台で購入できてしまいます。
本当にこんな価格でよいのか?と疑いたくなるほどですが、ランニング用のスマートウォッチをお探しの方はせひ参考にしてもらえると嬉しいです。
- ラップごとのイケボなアナウンスでランニング中の気分が上がる
- 高級感のある外観
- 多機能かつ高性能なのに低コストで買える
- ランニングに特化した機能が豊富
- 動きが滑らかでストレスなく操作可能
- 1週間持続するロングバッテリー
- Android版HUAWEIヘルスケアのインストールに少し手間がかかる場合がある
本記事はメーカーのHUAWEI様よりサンプル品をご提供いただき作成しています。
HUAWEI Watch GT Runner の概要
スペック
モデル名 | HUAWEI Watch GT Runner |
SoC | 非公開 |
メモリ | 4GB |
ストレージ | 非公開 |
ディスプレイ | 1.43インチ AMOLED(有機EL) 466 x 466 HD |
通信規格 | GNSS NFC Bluetooth |
GNSS (測位システム) | GPS + Beidou + Glonass + Galileo + QZSS |
センサー | 加速度センサー/ジャイロセンサー/磁気センサー/光学式心拍センサー/気圧センサー |
防水性能 | 5 ATM(水深50mに相当する圧力に対応) |
バッテリー持続時間 | 通常使用:14日 デュアルバンド高精度GPSモード:20時間 トレイルランモード:40時間 (設定の必要はなく、トレイルラン以外のワークアウトを選択したときは自動でデュアルバンド高精度GPSモードになります。) |
その他機能 | マイク・スピーカー、バイブレーション搭載 |
対応OS | Android™ 6.0以降 iOS™ 9.0以降 |
本体素材 | ケース:耐久性ポリマー ベゼル:セラミック リューズ:チタン合金 バンド:シリコン(脱着可能) |
大きさ | 本体:46 x 46 x 11 mm バンド幅:22mm |
重さ | 38.5g(ベルト含まず) |
手首サイズ | 140-210 mm |
カラー | ブラック、グレー |
付属品と外観
内容物はこちら。
腕が細い人には嬉しい短めストラップが付属しています。
- HUAWEI Watch GT Runner 本体
- 交換用短めストラップ 1本
- ベルトループ 1個
- ワイヤレス充電ケーブル 1本
- クイックスタートガイド
- ワランティーカード
色はブラックとグレーの2色。この記事でレビューするのはスポーティーなグレーです。
ベゼル部分の素材はセラミック。光沢があり非常に高級感があります。
リューズ部分の素材はチタン合金。ここも個人的にかなり気に入っている部分です。
リューズの下には物理ボタンが一つ付いています。ここでランニングをスタートしたりラップを刻むことができます。
また、リューズとボタンの間にスピーカーが搭載されており、ここからランニング中のアナウンスが流れます。
左側面にはなにもありません。
ベルトの付け根部分は隙間が空いた中空構造になっており、ここにGPSのアンテナが埋め込まれています。これが軽量化とGPSの感度向上に貢献しています。
裏面は中央に光学式心拍計などのセンサーが集中しています。ワイヤレス充電式のため、金属端子はありません。非常にシンプルです。
ベルトはシリコン製。非常に軽量です。さわり心地は柔らかくてサラサラしています。つけ心地も良好です。
付属品として、短めのストラップが最初から同梱されています。僕は腕が細いので、短いストラップに交換しました。
ストラップの交換は工具不要で簡単にできます。ストラップの根本にあるレバーを内側にスライドさせると外れます。
ストラップを外した状態。ストラップ幅は22mmなので、汎用性もあります。
充電はワイヤレス方式。付属の充電スタンドに乗せるだけで充電が可能です。
大きさと重さ
本体の大きさは カタログ値で 46 x 46 x 11 mm。
46mmというのはベゼルの外径の寸法なので、ケース全体を含めるともう少し大きさがありますが、細めの腕をしている筆者が装着しても大きすぎる感はありません。ランニング中の視認性を考えるとこのくらいの大きさが丁度良いです。
重さはカタログスペックで38.5g(ベルト含まず)ですが、実測値だともう少し軽いです。
短いベルトとセットの重さは実測値で52.5gでした。スマートウォッチの中では比較的軽量な部類で驚くほど軽量というわけではありませんが、大きさの割には軽く感じます。
他のスマートウォッチと重さを比較してみました。
僕が所有している7機種中、ちょうど真ん中の重さでした。
小さいサイズのApple Watchよりも軽いです。
機種 | 重さ |
---|---|
Apple Watch Ultra | 91.73g |
TicWatch Pro 3 Ultra GPS | 68.84g |
Apple Watch Series 6 (40mm) | 55.97g |
HUAWEI Watch GT Runner | 52.46g |
Garmin Venu | 46.61g |
Garmin ForeAthlete 735XTJ | 42.08g |
COROS PACE 2 | 29.71g |
設定メニュー
待ち受け画面からメニューへのアクセス方法は、画面スワイプ、上ボタン、下ボタンからの3通りあります。
画面スワイプ
画面を左から右にスワイプすると現在地の天気が表示されます。(スマホから天気情報を取得するため、スマホに「HUAWEI ヘルスケア」アプリをインストールしてペアリングする必要あり。)
画面を右から左にスワイプすると、自分自身のランニングパフォーマンスや心拍数などのバイタルデータにアクセスできます。
前回のランニングからの回復度合いを数値化してくれます。僕の場合だと3日は間を開けたほうが良さそうです。
トレーニング負荷では過去7日間のトータル負荷を確認できます。
トレーニング指数によって、現時点のパフォーマンスを確認できます。マラソン大会当日にはベストなコンディションで望みたいですよね。そんなときに役立つ機能です。
ランニングプランでは、ランニング能力のレベルに応じて、AIが自分にあったトレーニングプランを計画してくれる機能です。この内容に従ってランニングを継続すれば、確実にランニングのレベルが向上していきます。
現時点の自分のランニング能力を数値化してくれるのが「ランニング能力指数」です。
ランニング能力指数のめやす
ランニング能力指数レベル | 予想タイム | ランニング能力指数 |
---|---|---|
マラソン世界記録 | 2:01:39 | 85.3 |
フルマラソン2.5時間 | 2:30:00 | 69.2 |
フルマラソン3時間 | 3:00:00 | 56.4 |
フルマラソン3.5時間 | 3:30:00 | 46.7 |
フルマラソン4時間 | 4:00:00 | 40.7 |
僕のランニング能力指数は33.6だったので、フルマラソン4時間以上掛かりそうというのが分かります。
続いて心拍数計。
HUAWEIの光学式心拍計は、より正確な心拍数モニタリングを実現する新しい技術「HUAWEI TruSeen 5.0+」を搭載しています。これにより瞬時に心拍数が変化するインターバルトレーニングでも信頼性の高いデータを取得可能です。(ファーウェイラボのテスト結果にて、10bpm以内97%の精度を実現しています。)
設定やアラームなど頻繁にアクセスする機能には、待受画面の状態で上から下にスワイプするとクイックメニューが表示され、簡単にアクセスできます。
通知の履歴表示は、下から上にスワイプすると表示されます。
上ボタン
上ボタンを押すと、様々なメニューが表示されます。設定メニューにもここからアクセスしますが、睡眠やストレスの状態を確認したり、心拍数や血中酸素濃度など、基本的な計測データを確認することも可能です。
この『HUAWEI Watch GT Runner』の特徴の一つが「乳酸閾値」の測定をスマートウォッチ単体で計測できるところ。
「乳酸閾値」の計測も現状の自分のパフォーマンスを知る上で参考になる数値です
Garminなども一部の機種では計測可能ですが、胸につけるベルト式のハートレートセンサーをペアリングしないと計測できなかったりします。
計測するのは結構ハードなワークアウトをしなければならないので、しんどいですが、一度測ってみるのも面白いのでおすすめです。
下ボタン
下ボタンを押すと、ワークアウトの一覧が表示されます。一般的に一番良く使われるのが「屋外ランニング」だと思いますが、それ以外にもトラックでのランニングや、登山、トレイルランニング、トライアスロン、水泳など、様々なワークアウトが用意されています。
屋外ランニングのワークアウトを実行すると、まずGPSの測位が始まりますが、比較的短い時間で計測準備が完了します
各ワークアウトの設定画面に入ると細かい動作設定が可能です。例えば屋外ランニングの設定だと、信号待ち等で一定時間GPSの動きが無かった場合、自動的にタイムの計測をストップし、信号が青になって位置に変化が現れた時点で再度タイム計測を再開するような機能も搭載しています。
その他、本格的なランナーであれば必須の練習法である「インターバルトレーニング」も搭載しています。
「”1kmを全力疾走→500m休む”というセットを10回繰り返す」といったように、休憩を挟みながらハードな練習を繰り返し行うことで体に負荷を掛け、走力を高めようとするトレーニング方法である。
主にマラソン大会などでタイムを狙いたいときに有効なトレーニング方法となりますが、それをスマートウォッチ単体で内容を組んで実行する機能をを搭載しています。
コーチがいなくとも、この『HUAWEI Watch GT Runner』さえあれば一人で理想に近いトレーニングが可能になっています。
HUAWEI Watch GT Runner の特徴とメリット
ランニング時の気分が上がる!
冒頭にも書きましたが、この『HUAWEI Watch GT Runner』を使っていて感じた最も特徴的なポイントがこれ。
どういうことかというと、ランニング中に聞こえるウォッチ本体からのアナウンスが非常にカッコいいんです。
1kmごとのラップタイムや、現時点の心拍数などをウォッチ本体に搭載されたスピーカーから英語でアナウンスしてくれるのですが、その声が妙に”イケボ”なんですよね。
ウォッチとワイヤレスイヤホンをペアリングしていない状態でも、ウォッチ本体のスピーカーからアナウンスが流れるので、ランニング中のイヤホン否定派の方でもこのアナウンスを聞くことができます。
これは僕も結構気に入っていて、早くアナウンス流れないかな〜と思いながらいつも走っています。
高級感のある外観
ケース自体は耐久性ポリマーという樹脂製なのですが、ベゼルがセラミック製、リューズがチタン製で素材にもこだわった作りになっています。そのため、安っぽさが全くなく、高級感すら感じます。
ディスプレイの表示部分もしっかり外側まで領域があり、ベゼルの太さも感じないためバランスも良く、非常に美しいです。
多機能かつ高性能なのに安い!コスパ抜群
この『HUAWEI Watch GT Runner』ですが、ランニングGPSウォッチに求められる機能はほぼ全て搭載しているうえ、気圧計を内蔵していたり、HUAWEI AppGalleryからアプリを追加することも可能です。
なのに値段は実売価格だと2万5千円前後で購入することができます。(2023年5月現在)定価こそ約3万5千円とそこそこのお値段がしますが、安いときは2万円程度で購入できる時があるので、安くて高性能なスマートウォッチを探している方にはかなりおすすめできるスマートウォッチです。
まじでこの値段でこの性能、この質感を手に入れられるの、バグってます笑
ランニングに特化した機能が豊富
GPS測位の早さもさることながら、ランニングを始めとしたワークアウトに特化した機能が豊富に搭載されていることもこの『HUAWEI Watch GT Runner』の特徴の一つです。
- 精度の高いGPS測位システム搭載
- 精度の高い心拍数モニタリング
- ランニング能力指数、トレーニング負荷、回復時間、乳酸閾値などを計測し、現在のパフォーマンスを数字で教えてくれる
- AIトレーニングコーチが自分専属のトレーナーとしてプランを計画してくれる
- 信号待ちでのタイム計測の自動停止や再開機能ももちろん搭載
- インターバルトレーニングのメニューを組むことも可能
これからランニングを始める初心者の方から、ガチのシリアスランナーまで幅広いユーザーにおすすめできるモデルです。
精度の高いGPS測位システム搭載
GPSは5種類の測位システム(GPS + Beidou + Glonass + Galileo + QZSS)に対応しており、正確さと計測開始可能状態になるまでの待ち時間の短縮を実現しています。
1週3.5kmのランニングコースがある公園を走ったときのログです。
少しはみ出している部分もありますが、精度はかなり高いです。
距離も3.5kmで約70mの誤差なので、約98%の精度という結果になりました。
動きがヌルヌルでなめらか
動きが非常になめらかで、ストレスなく操作できるのも特徴の一つです。
実際の動きがこれ。
上側のリューズを回してメニューを上下させることもできますし、もちろんタッチでも可能です。全くカクついた感じがなく、気持ちよく動きます。
バッテリー持ちが良い
バッテリー持ちははカタログ値だと14日となっていますが、実際には1週間程度でした。その間は入浴の時だけは外しましたが、就寝時も24時間装着し続けての結果です。
それでもAppe Watch Ultraが2日も持たないことを考えると、驚異的なバッテリーの持ちです。
短期間の旅行であれば、充電器不要ですね。
ちょっと感じたデメリット
Androidで使う場合はちょっと手間がかかる
スマートウォッチ本体はスマホと連携して使いますが、Androidスマホを使っている場合は少し手間がかかるので注意が必要です。
スマホと連携するには、「Huaweiヘルスケア」アプリをスマホにインストールする必要があります。
この「Huaweiヘルスケア」アプリは、iPhoneの場合であれば普通にAppStoreに存在するのですが、Android版はPlayStoreには存在しません。インストールする場合は、HUAWEI公式サイトからインストーラーをダウンロードしてインストールする必要があります。
Androidに慣れている人であれば特に問題ありませんが、あまり慣れていない人だと少し手間取るかもしれません。
Android版アプリのインストール
流れとしては下記のサイトにスマホでアクセスし、アプリケーションインストールファイルをダウンロードし、提供元不明アプリのインストールを許可してインストールする形になります。
一度インストールすれば、通常のアプリと同様、問題なく使用することができます。
常時表示にすると、腕を傾けても通常モードにならない
この欠点は、『HUAWEI Watch GT Runner』に搭載されているOS「Harmony OS」のバージョンを3に上げると解消します。
レビュー記事作成中はずっとバージョン2の状態だったのですが、2023年5月にバージョン3がリリースされ、バージョンアップしたところ設定項目に「常時表示スタイル」という設定が追加され、「持ち上げて文字盤を表示」にチェックを入れることで通常の文字盤が表示されるように変更されました。
これで欠点の一つがなくなってしまったので、さらに完璧なランニングスマートウォッチに近づきましたね。
HUAWEI Watch GT Runner のレビューまとめ
本記事では高性能かつ低コストで導入可能なランニングGPSスマートウォッチ『HUAWEI Watch GT Runner』をレビューしました。
正にフル装備のモバイルモニターと言って良い内容で、これ一台あればかなり重宝すること間違いなしです。
メリット | デメリット |
---|---|
ラップごとのイケボなアナウンスでランニング中の気分が上がる 高級感のある外観 多機能かつ高性能なのに低コストで買える ランニングに特化した機能が豊富 動きが滑らかでストレスなく操作可能 1週間持続するロングバッテリー | Android版HUAWEIヘルスケアのインストールに少し手間がかかる場合がある |
こんな方におすすめ
- ランニングを始めたいけどどのGPSウォッチを買えばよいかわからない
- 今使っているGPSウォッチが古くなってきたので、買い替えを検討している
- できるだけコスパの高いGPSスマートウォッチが欲しい
スマートウォッチも日々進化していますが、コスパの高さで言えば個人的にはダントツでNo1のスマートウォッチだと感じました。
以上、はしかん(@hashikan3)がお伝えしました。
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