本記事ではInnoViewの15.6インチモバイルモニター『INVPM001』をレビューしています。価格が安いわりに高機能なのが特徴的な高コスパモバイルモニターです。iPhoneやAndroidスマホとも直接接続できるため、スマホを活用したい方に向いているモデルです。
モバイルモニターを10台以上レビューしているモバイルモニターオタクの”はしかん(@hashikan3)”と申します。
僕は本業でシステム系の営業をやっているんですけど、お客様先でときどきスマホの画面を大きく見せたいときがあるんですよね。
常にHDMI変換アダプターは持っているんですが、お客様先にモニターやプロジェクターが無かったら投影できないので、そんなときはモバイルモニターを持っていきます。
いつもは「HDMI変換アダプター」を付けて「HDMIケーブル」で接続して〜みたいなことをやっているのでどうしてもケーブルがごちゃごちゃしがち。
しかし本記事でご紹介するInnoViewの15.6インチモバイルモニター『INVPM001』はiPhoneの場合は直接Lightningケーブルを接続するだけで投影できてしまうという他のモバイルモニターではあまり見ない機能を持っています。
INVPM001の特徴
- 15.6インチ非光沢IPS液晶パネルを採用
- スタンドは本体内蔵で無段階調整できる
- TYPE-C入力、mini-HDMI入力だけでなく、SwitchやiPhone、PCモード対応のAndroidスマホも投影できる
- ステレオスピーカー搭載
- 電源アダプターやHDMIケーブル、TYPE-Cケーブル付属ですぐに使える
- 値段が安い
一点だけ、キャリングケースが付属していないことが唯一の欠点なんですが、しばらく使った感想としては質感や性能に関してはかなり優秀なモバイルモニターだと感じました。
キャリングケースは別売りで純正品があるので、よく持ち運ぶ方は別途購入するとより便利に使えます。
それではInnoView『INVPM001』を写真多めでじっくりレビューしていきます!
本記事はメーカーのInnoView様よりサンプル品をご提供いただき作成しています。
- iPhoneも直接接続できる
- 内蔵スタンドが便利
- 中央下部に鎮座するでっかいロゴ
- キャリングケースが付属していない(純正ケースは別売り)
InnoView INVPM001 の概要
スペック
InnoView『INVPM001』のスペックはこちら。
ディスプレイサイズ | 15.6型ワイド |
パネル種類 | IPS(視野角178°) |
表面仕様 | アンチグレア(非光沢液晶) |
解像度 | FHD (1980 x 1080) |
リフレッシュレート(最大) | 60Hz |
最大輝度 | 250 cd/m² |
応答速度 | 5ms |
映像入力端子 | USB Type-C、Mini HDMI |
スピーカー | ステレオスピーカー搭載(3.5mmイヤホンジャック搭載) |
本体サイズ(実測値) | 高さ:224mm 幅:361mm 厚み:12.6mm(最薄部:5.4mm) |
本体重量(実測値) | 877g(本体のみ) |
スペックだけ見ると一般的なモバイルモニターと特に変わった点はありませんが、スマートフォンと直接接続できるのは嬉しいポイント。
外観と付属品
外箱に「InnoView」の由来が記載されていました。「Innovate for your view」を略したものだったんですね。「あなたの視界に革命を」といったところでしょうか。コンセプトは好感が持てます。
開封していくとまず説明書や保証書が現れます。
最初に本体以外の付属品をチェック。
- HDMI – mini-HDMIケーブル 1本
- TYPE-C – TYPE-C ケーブル 1本
- TYPE-C – TYPE-A ケーブル 1本
- TYPE-C – TYPE-A 変換アダプタ 1個
- 電源アダプタ 1個
- クリーニングクロス
- ユーザーマニュアル
- クイックスタートガイド
- 保証書
電源アダプタは18WのTYPE-A端子のもの。スイッチとモニターを接続してプレイするのには十分ですが、PCと接続して使うにはパワーが不足しているので、60W以上の充電器を別途用意する必要があります。
続いてモバイルモニター本体を見ていきます。
デザインはベゼルレスで今どき風。中央下部にInnViewのロゴがそこそこ大きめにプリントされているので、デザインに拘る方には好みが分かれるところ。
ちょっと大きすぎるんじゃないかと思ってしまうロゴ。もう少し小さくして右か左に寄せてほしかったところ。気になる方は黒いマステを貼るなどすると良いと思います。
ロゴの高さは9mm、ベゼル幅は20mmあるので15mm幅くらいのマステがあればOK。
背面は上半分が薄く、入力端子やスタンド部分の下半分が厚めになっている構造。
モニターを使う際、モニターに向かって右側に電源ボタンやメニューボタン、USB TYPE-C、イヤホンジャックがあります。
左側にはTYPE-Cが2ポート、mini-HDMIポートがあります。
ポート類はスタンドを開くと現れます。つまり、スタンドを開かないとケーブルを接続できない構造です。
このモバイルモニターはかなり薄いのですが、剛性感は非常に高くしっかりした作りです。
細かい部分を見ても品質の低さを感じる部分がなかったのは非常に良かったです。デスクへの設置面にもしっかりとゴム足が貼り付けられていますし、適当にゴムシートを貼っただけではなく、しっかり丸く形成されたゴムパーツが使ってあります。
スタンド側にもゴムパーツで滑り止めが施されており、品質の高さが伺えます。
音ははモニター下部のスリットから出るようになっています。音質は実用レベルといったところ。さすがにMacBook Airの純正スピーカーと比較すると音質は劣りますが、スイッチ等を接続してプレイする分には十分すぎる音量と音質でした。
モニターを立たせて正面から見るとこのようなイメージになります。
続いて背面。やはりスタンドが内蔵されているのは便利です。
横から見ると薄さが良くわかります。
スタンドは最大180°まで開きますが、130°くらいから一気に180°まで開いてしまうので実質使えるのは130°が限界です。それでもかなり寝かせることができるので、無段階で自分の好きな角度に調整できます。
鋭角的なデザインで、なかなかカッコいいフォルム。この角度から見ると薄さがよくわかります。
ベゼルも非常に薄く、実測値で4.8mmでした。
ケーブルは1段奥に接続される形になるので、表から見たときに非常にスタイリッシュに感じます。これの良いところはPCのモニターと段差ができにくいところ。これは意外でした。
ただ、ボタンが奥にあると操作性は若干劣ります。右手の親指で電源ボタンやメニューボタンを操作する格好になります。
外観についてはちょっと大きめのロゴが気になるくらいで、狭額縁でかなりスタイリッシュですし、内蔵スタンドもしっかりしていてこの価格でこの品質はかなり好感が持てます。
安すぎるモバイルモニターだと剛性がなさすぎてよじれやすいものもありますが、これは非常にしっかりとした作りで全く心配はいりません。
大きさと重さ
モニターの大きさは、高さ:224mm 幅:361mm 厚み:12.6mm(最薄部:5.4mm)。15.6インチとしてはかなり薄い部類に入ります。
13インチのMacBook Airと並べるとこのようになります。MacBook Airが2,560 x 1,600ピクセルなので解像度としては劣りますが、Excelなどの表計算ソフトやWebサイトを大きく表示したいときなんかは非常に便利です。
もちらも13.9インチのWindowsモバイルノートと接続したイメージ。表示領域が倍になるので作業効率は格段に上がります。
本体のみの重さは実測値で877g。スタンドを内蔵しているのでモバイルモニターとしては少し重めですが、通常の据え置き型モニターとは比較にならないほど軽いです。
設定メニュー
設定メニューは、本体右側のダイヤル式ボタンを押し込むと表示されます。
OSDは左下に表示されます。
設定メニューの大項目
- 明るさ/コントラスト
- 色設定
- オーディオ設定
- その他の設定
- 信号ソース
明るさ/コントラストやシャープネスを設定可能。
モードは4種類あり、標準、ゲーム、ムービー、写真から選択できます。
色設定では色温度を6500Kといったケルビンで設定可能。ブルーライトカットも可能です。
音量は100段階で設定可能。
その他、FreeSyncの設定やHDRのオンオフ、言語設定が可能です。
入力ソースの切り替えではTYPE-CやHDMIにくわえ、LIGHTNINGが存在し、iPhoneにもしっかりと対応していることがわかります。
音量や明るさといった頻繁に設定変更する機能については設定ダイヤルボタンを上下に動かすことでショットカットすることができます。
InnoView INVPM001 の特徴
色域はsRGBカバー率70%とやや狭い
キャリブレーションツールを使って『INVPM001』の色域を測定しました。
結果がこちら。
InnoView INVPM001 の色域測定結果
カラースペース | 色域カバー率 |
---|---|
sRGB | 70% |
NTSC | 50% |
AdobeRGB | 52% |
P3 | 52 % |
sRGBカバー率は70%と少し低め。緑色の表現力が少し弱めですが、通常の業務利用や動画視聴、ゲームプレイといった用途であれば特に色がおかしいなと感じることもなく普通に使えました。
プロのような厳密な色表現が求められる写真現像や動画編集にはあまり向いていませんが、一般家庭においては問題ないレベルです。
PC、スイッチはもちろん、スマホとも直接接続可能
WIndowsPC や MacBook との接続は付属のTYPE-Cケーブル1本で接続可能です。この状態だとPC側からモニターの電源も映像音声信号も送られている状態なのでバッテリーを消費してしまいますが、モニターに電源を接続することでモニターやPCへの電源供給をしながら使うことができます。PCを接続する際は付属の電源アダプターだと容量が足りないので60W以上のUSB電源を別途用意する必要があります。
スイッチとの接続の場合は必ずモニターへの電源供給が必要ですがTYPE-Cケーブルでモニターとスイッチを接続すれば大画面でプレイできます。スイッチの小さな画面に疲れた方にはこの大画面はかなり嬉しいはず。
この『INVPM001』の特徴的な機能がこれ。iPhoneをApple純正ライトニングケーブルで接続するだけで映像や音声を再生出来てしまう点です。
写真はAnkerのTYPE-C to Lightningケーブルですが、これでもちゃんと投影することができました。
YouTubeを再生すると全画面表示が可能です。PCだけでなくスイッチやスマホとも接続できるので用途が広がります。
また、反対側がUSB TYPE-Aになっている少し古いLightningケーブルでもモニターに付属している変換アダプターを介して接続可能です。
スタンド内蔵で見やすい角度に調整できる
通常のモバイルモニターはスタンドとカバーが一体化した「スタンドカバー」が付属しているのが一般的。カバーを兼ねているのは嬉しいんですが、だいたい2段階から3段階の角度調整しかできません。
しかし『INVPM001』はスタンドをモニター本体に内蔵しており、しかも無段階で好きな角度に調整できるので視線の高さに合わせて調整したり、部屋の照明の角度に合わせて反射しにくい角度に微調整するといった作業が非常に楽にできます。
しかもかなり剛性感も高いのでこれはポイント高いです。
ちょっと感じたデメリット
ケースが付属していない
このモバイルモニターにはケースが付属していません。
ただ、別売りで2千円ちょいで純正ケースを購入することができます。
あまり持ち運ばない方にはケースは不要なので、持ち運ぶ人だけ別売りで購入できるようにして標準では付属させないことでコストを抑えていると捉えることもできますね。
また、モデルが変わりますが、同じInnoView製の15.6インチモバイルモニターでスタンド内蔵タイプではなく一般的なスタンドカバータイプのモデルもあるので、内蔵スタンドやiPhoneとの接続機能が必須ではない方はこちらを選ぶのもありです。
ロゴが気になる
これは性能とは全く関係ないし人によって感じ方が変わるかもしれませんが、デザインにこだわりたい方にとっては中央に大きくプリントされているロゴは結構気になるんじゃないでしょうか。
僕もかなり気になるタイプです…
コンセプトは非常に好感が持てるので、もう少しデザインされたロゴにして右か左に寄せて小さく表示すればもっと売れるモニターになると思うんですが、この辺りが中華製という雰囲気を出してしまっているような気がします。
気になる方はマスキングテープ一択です。
InnoView INVPM001 のレビューまとめ
本記事では『INVPM001』をレビューしました。
かなり安いモバイルモニターだったので実際に手に取るまでは「安かろう悪かろうなんでは?」と心配でしたが、全くそんな心配はなくむしろ高品質で良い意味で期待を裏切ってくれたモバイルモニターでした。
これは万人におすすめできるモバイルモニターです!
はしかん評価
品質 | この価格でこの品質は納得しかない | |
画質 | 画質は必要にして十分。プロ用途ではないが日常利用には問題なし | |
使い勝手 | スタンドが便利。メニューはちょっと慣れが必要 | |
持ち運びやすさ | 非常に薄いので別売りのケースを買えば星4.5 |
正直モバイルモニターの中ではかなり安い部類に入りますが、この値段でこの品質は今までなかったかも。かなりおすすめできる1台です!
こんな方におすすめ
- コストを重視したい
- 家の中とか会社でしか使わないとか、あまり持ち運ぶ機会はない
- iPhoneやAndroidスマホを手軽に接続したい
はじめてモバイルモニターを買う形であまりコストをかけたくない方はひとまずこれを買っておけばかなり満足度は高いと思います!
以上、はしかん(@hashikan3)がお伝えしました。
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