本記事ではBenQの27インチゲーミングモニター『MOBIUZ EX2710Q』をレビューしています。最大165Hzのリフレッシュレートと応答速度は1ms(MPRT)に対応。2.1chのtreVoloスピーカーシステム内蔵で外部スピーカーなしでも高音質なサウンドを楽しめ、BenQ独自のHDRiテクノロジーで映像の美しさと目への配慮を両立した高性能ゲーミングモニターです。
本記事で紹介するゲーミングモニター『EX2710Q』はBenQのゲーミングブランドである「MOBIUZシリーズ」の最新作。
「僕が体験してきたスピーカー内蔵型モニターの中で今までで一番音がいい。」
2週間ほどゲーム、映画視聴、ブログ執筆、YouTube動画編集に使ってみた正直な感想がこれ。
モニター下部のベゼル部分に前向きに埋め込まれた左右のスピーカーが高音域のクリアな音をストレートに伝えてくれるのにくわえ、背面に搭載されたウーハーによりモニターから出ているとは思えない中低音域の力強さを生み出しています。
- DisplayHDR400対応の 27インチ、WQHD(2560×1440)解像度 非光沢 IPSパネル搭載で美しい映像を堪能できる
- リフレッシュレート165Hz、応答速度1ms(MPRT)、FreeSync Premium対応で快適なゲームプレイを実現
- 2.1chのtreVoloスピーカーシステム内蔵で迫力のサウンド体験を味わえる
- BenQ独自のHDRi技術で周囲の明るさに合わせた迫力のある映像を楽しめる
- ブルーライト軽減機能はもちろん、ブライトネスインテリジェンスプラス(B.I.+)で適切な輝度と色温度に調整し目への負担を軽減
おそらく、スピーカー内蔵型のゲーミングモニターを探している方の最適解の一つになるであろう今回の『MOBIUZ EX2710Q』。
多めの写真と動画でじっくりとレビューしていきます。
動画レビューでゲームプレイの様子やスピーカーの音質をチェックしていますので、気になる方はこちらもぜひチェックしてみてください。
動画レビュー
本記事はメーカーのBenQ様よりサンプル品をご提供いただき作成しています。
気になるところまで読み飛ばす
- モニター内蔵スピーカーとしてはかなりの高音質
- 色鮮やかさが段違いの美しさ
- デザインの好き嫌いが分かれるかも
- 旧モデルだとあったリモコンとTYPE-Cがなくなってるのがちょっと残念
BenQ MOBIUZ EX2710Q の概要
2019年11月に発売された「EX2780Q」の上位版として2021年8月に発売開始となった本モデル。
リフレッシュレートと応答速度がそれぞれ、144Hz→165Hz、5ms (GtG)→1ms(MPRT)にスペックアップし、デザインもシックな感じから直線的なデザインに変更されるなどよりゲーミングを意識したモニターに進化しています。
スペック
『MOBIUZ EX2710Q』のスペックはこちら。
ディスプレイサイズ | 27型ワイド |
パネル種類 | IPS(視野角上下左右共に178°) |
表面仕様 | アンチグレア(非光沢液晶) |
解像度 | WQHD (2560 x 1440) |
リフレッシュレート | 165Hz |
最大輝度(cd/m²) | 250 cd/m² (HDR 再生時は最大 400cd/m²) |
応答速度 | 1ms[MPRT]:2ms[GTG] |
表示色 | 約 10 億 7000 万色 |
アスペクト比 | 16 : 9 |
コントラスト比 | 1000 : 1 |
チルト角度 | 上下 : -5°/15° |
スウィベール | 左右 : 15°/15° |
VESA規格 | 100 x 100mm |
消費電力 | 最大:70W 標準:29W 待機時:<0.5W |
映像入力 | HDMI 2.0×2/Display Port 1.4/USB3.0×3(Downstream x 2、Upstream x1) |
スピーカー | 2.1ch(2Wx2+5W サブウーファー) 3.5mmヘッドホンジャック搭載 |
本体サイズ | 高さ:439.6 – 539.6mm 幅:614.1mm 奥行き:216.7mm |
本体重量 | 7.4kg |
保証期間 | 3年保証(パネル、ライトは1年保証) |
ゲーミングモニターに求められるリフレッシュレートや応答速度は十分な性能を満たしつつ、一般家庭用としては十分すぎるほどの色表現力とサブウーファー内蔵の2.1ch treVolo スピーカーシステムも搭載しています。
まだ外部スピーカーをお持ちでない方やデスク上にあまりモノを置きたくない方におすすめの仕様になっています。
外観と付属品
黒ベースの外箱が高級感を醸し出しています。
- HDMI 2.0ケーブル 1本
- DP1.4ケーブル 1本
- USB3.0ケーブル 1本
- 電源ケーブル 1本
- 電源アダプター
- クイックスタートガイド
- 保証書
電源ケーブルの形状はミッキーマウスです。
スタンドは組み立て式。足部分と支柱部分は工具不要で組み立てられる親切設計。このような細かい配慮は嬉しいです!
モニター正面。スタンドの鋭角的なデザインが特徴的。
右下にステータスLEDがあり、電源ON時に白く光ります。ゲームプレイ時でも気になることはありませんでしたが設定でOFFにすることも可能です。
スタンバイ時はオレンジ色に点灯します。
ベゼルは上部と左右が8.2mmと薄くなっています。スッキリしていて美しいです。
背面のデザインは統一感があって絵になります。宇宙船っぽくて近未来的な外観が好きな方にはたまらないデザインでしょう!
横から見るとスタンド部分の奥行きはそこそこあります。足の先端から奥の支柱下部まで約26cmほどありますので、設置場所は予め確認しておいたほうが良さそうです。
ちなみにこれが一番高い位置にモニターを固定している状態。
一番下まで下げた状態がこれ。かなり下がります。
特にロック機構はないので、両手でモニターを持って上下させるだけで高さ調節が可能です。
上下のチルト角度は上は15°、下は−5°まで下がります。
モニター前面の下側ベゼルに2Wのスピーカーが左右に1つずつ搭載されています。
中央にはBenQ独自のHDRi技術を実現するための環境光測定センサーが内蔵されています。
右側にはそのHDRiのカラーモードを簡単に切り替えられるホットキーも搭載されています。
背面にはブランド名である「MOBIUZ」のロゴや操作ボタン、入出力端子があります。
入出力ポートはこちら。
HDMI2.0が2ポート、DP1.4が1ポートあります。USBハブの機能も内蔵していてキーモードやマウスなども接続可能です。
HDMIが2ポートあると使わけできて便利!
なおここは付属の化粧パネルで隠すことができます。背面をスッキリ見せたい方には嬉しい配慮です。
HDMIケーブルと電源ケーブル、そしてUSBケーブルを接続して設置した状態がこのようになります。
スタンド部分の通し穴からケーブルを後ろに回せるので、配線を隠した整線処理が可能です。
VESAは100mmに対応。モニターアームを使って設置することもできます。
スピーカー内蔵モニターをモニターアームで設置できたらめっちゃスッキリしたゲーミング環境を構築できそう!
部屋の一角にPS4で遊べるコーナーを設置しました。
ゲーム機とモニターだけですが、この状態でも高音質でゲームを楽しめるのがこのモニターを選択するメリットですね!
大きさと重さ
モニターの大きさは、高さ:439.6 〜 539.6mm 幅:614.1mm 奥行き:216.7mmとなります。
重さは7.4kg。
PS4との大きさを比較するとこのようになります。
このミニテーブルは奥行き45cmなんですが、設置するとこんな状態になります。
上から見るとこのような感じに。脚がフロントにせり出しているのがわかります。
デスク上に設置するとそこそこ面積を必要としますが、足部分が大きく広がっていて安定性が高いです。
また脚部分は細いのでモニター手前にモノを置くのは問題なさそう。
設定メニュー
前面にあるHDRiホットキーを押すと、HDRiの3つのプリセットを切り替えることができます。
僕もモニターですることってブログ執筆や動画編集、映画視聴、ゲームの3つくらいしかないので、この3つの切り替えだけで十分でした。
設定メニューは、本体右奥のメニューボタンを使って操作します。
メニューボタンのジョイスティックは上下左右方向に倒せるようになっていて、直感的な操作が可能です。
メニューの大項目は全部で6個。
設定したい大項目までカーソルを移動させてそこから右に向かって移動すると詳細項目を選択することができます。目当ての設定項目まで移動したらジョイスティックを押し込んで決定です。
メニューを開いていない状態でジョイスティックを上下に動かすと音量調整が可能です。0〜50までの範囲で調整できます。
BenQ MOBIUZ EX2710Q の特徴
『MOBIUZ EX2710Q』の特徴を整理します。
sRGBカバー率100% P3カバー率95%でトップクラスの色表現力
キャリブレーションツールを使って『MOBIUZ EX2710Q』の色域を測定しました。
結果がこちら。
結論から言うと非常に優秀です。
MOBIUZ EX2710Q の色域測定結果
カラースペース | 色域カバー率 |
---|---|
sRGB | 100% |
NTSC | 85% |
AdobeRGB | 88% |
P3 | 95% |
sRGBカバー率は100%。WEB制作や写真現像、動画編集など、クリエイティブ用途でも全く問題なく使える色表現力です。
P3でもスペック通りのピッタリ95%のスコアを叩き出していて驚きました。正直今までレビューしてきたモニターの中でもトップクラスの色表現力で、色鮮やかな映像を楽しめます。
ゲームの色鮮やかさに拘りたい方にはかなりおすすめできるゲーミングモニターです!
2.1ChのtreVoloスピーカーで高音質サウンドを楽しめる
モニター内蔵のスピーカーはコストや物理的なスペースなどの制約であまり音質に拘ったものがありませんが、この『MOBIUZ EX2710Q』は逆に音質にかなり拘っているのが1番の特徴です。
音質を良くする特徴は3つ。
- 高音域を良くするTrue Sound 技術
- 低音域を良くする物理的構造
- 選べる5つのサウンドモード
この3つをまとめたのがtreVoloサウンドシステムです!
高音域を良くするTrue Sound 技術
「True Sound」というBenQ独自の技術により、低ビットレートの録音や圧縮によって失われがちな高周波数帯域の信号を補完します。
これによって伸びるような高音域の音源を作り出し、それをフロントの左右に搭載した2Wのスピーカーによってユーザーの耳にストレートに届けてくれます。
質の良い低音を実現する物理的構造
「True Sound」のようなシステム面での音質改善だけではなく、スピーカー自体の性能や構造にも拘っているのが「treVoloサウンドシステム」が普通とはちょっと違う点です。
内蔵スピーカーには高温などの過酷な条件でも正確に動作するネオジム磁石や歯切れのよいサウンドを実現するアルミニウム合金製のコーンを使用。さらにウーファーのポート設計も低音域が心地よく聴こえるよう配置され、迫力のある重低音を実現しています。
選べる5つのサウンドモード
また、様々なゲームジャンルに応じて適切な音質を選択できるように、予め5つのイコライザーがプリセットされています。
5つのサウンドモード
FPS | 敵の足音や使用している武器を識別しやすくするチューニングが施されたモード。 戦いにおいては音も非常に重要になりますが、少しでも有利に戦えるように支援してくれます。 |
RCG | 重低音と3Dサラウンド効果がエンジン音を強調し、まるで自分がレースカーのハンドルを握っているかのような雰囲気を味わえるモードです。 |
SPG | スポーツを観戦するためのモード。ノイズによる干渉を減らし人間の声を聞こえやすくしているこのモードでは、観客席の歓声や場内放送などをはっきりと聞き取れ、白熱した観戦を楽しめます。 |
シネマ | 映画館の音場を参考にしてチューニングされ、会話の明瞭さと背景音楽の雰囲気を両方大事にしたモード。視覚と聴覚の両方で映画に没頭できます。 |
ライブ/ポップ | ライブコンサートを長時間聴くために設計されたモード。リアルなライブオーディオ品質でアーティストの存在感を存分に味わえます。 |
サウンドモードはメインメニューから切替可能です。
音質が気になる方はYouTubeのレビュー動画もぜひチェックしてみてください。
HDRiテクノロジーで周囲の照明環境に左右されない美しい映像を楽しめる
『MOBIUZ EX2710Q』は「VESA DisplayHDR 400」の規格に対応したゲーミングモニターです。
「VESA DisplayHDR」は「HDR」の表示性能を表す規格のことで、400、600,1000などいくつか種類があり、数字が大きくなるにつれて高い性能であることを示しています。
「VESA DisplayHDR 400」はこの規格の中では最もベーシックな性能で、ピーク輝度が400cd/m2以上、黒の輝度が0.4cd/m2以下、色域がBT.709で95%以上と一定の基準が定められており、この要件を満たす表示機器は「VESA DisplayHDR 400を満たしている機器」として「DisplayHDR400」のロゴを提示できます。
これだけでもしっかりと基本性能を備えたHDR対応モニターであることがわかりますが、ここにBenQ独自の技術を加えたのが「HDRi」です。
「HDRi」は通常のHDRにくわえ、モニター前面に搭載された環境光測定センサーで周囲の照明の状況を検知し自動的にモニターの輝度と色合いを調節してくれる「B.I.+機能」を組み合わせて、周囲の環境に合わせた理想的な視聴体験を実現してくれる機能です。
昼間や夜間では明るさが違うので見やすい画面の明るさも変わりますし、映画など周囲を暗くして観たいときにも通常は手動で明るさ調整しなければなりませんが、『MOBIUZ EX2710Q』であれば自動的に調節してくれるのでとても楽!
『 MOBIUZ EX2710Q』であれば明るさ調整などといった面倒な操作をせずとも常に美しい映像を楽しめます!
また、HDRに対応していないコンテンツも美しく表示できるようにHDRをエミュレートする機能も搭載しているので、HDR非対応のコンテンツでもより良い画質で楽しむことができます。
左右スイベールやチルト、高さ調整可能なスタンドで姿勢に合った位置に調整可能
『MOBIUZ EX2710Q』のモニタースタンドは自分の姿勢に合わせて見やすい位置に調整が可能です。
可動範囲は下記のとおり。
左右のスイベールは15°ずつ。
上下のチルト方向は上が15°、下は−5°までの範囲で調整可能。
高さは可動域が10cmほどあります
これだけ動けば大抵の姿勢には対応できそうですね!
メニューが使いやすい
メニューボタンは右側の背面についてます。
上から入力切替、メニューを選択・決定するためのジョイスティック、そして一番下が電源ボタンです。
このジョイスティックタイプのメニューボタンは操作性が良いので個人的に好きなんですが、『MOBIUZ EX2710Q』のメニューも同様に操作性は良いですね。
VESA規格にも対応でモニターアームも利用可能
おうち需要が高まってきてモニターアームが人気ですが、この『MOBIUZ EX2710Q』もモニターアームに取り付け可能です。
モニターアームの規格であるVESAマウントの 100mm x 100mmに対応していて、同規格のモニターアームであれば簡単に取り付け可能です。
モニターの可動域が広がるのでより自分の姿勢に合わせた配置ができますし、スタンドがなくなるのでよりスッキリと設置することができます。
ちょっと感じたデメリット
脚のデザインは好みが分かれるかも
旧モデルの「EX2780Q」の進化版として発売された「EX2710Q」ですが、正直デザインとしては旧モデルの「EX2780Q」の方が個人的には好みですね。
これは僕個人の好みなので、もちろん「新型の方が好き!」という方も多いと思います。
よりゲーミングっぽい雰囲気が好みの方は「EX2710Q」を。シックなデザインが好みの方は旧モデルの「EX2780Q」を選択するのも良いかもしれません。
モニター自体の性能は最高なので、あまりデザインにこだわらない方や、はじめからモニターアームを使う予定の方なんかにはそんなに大きな問題ではなさそうです。
BenQ MOBIUZ EX2710Q のレビューまとめ
本記事では『MOBIUZ EX2710Q』をレビューしました。
27インチ WQHD (2560 x 1440)解像度で165Hzのリフレッシュレートに対応したゲーミングモニターです。
応答速度は1ms(MPRT)と非常にレスポンスが良く、素早い反応が求められるFPSゲームなどにもピッタリ。
2.1chのtreVoloサウンドシステムによりモニターだけで高音質のサウンドを楽しめるのが特徴的で、モニター単体だけでスッキリとしたゲーミング環境を整えられます。
こんな方におすすめ
- 手軽に高音質を楽しめるゲーミングモニターがほしい
- 音質にも拘りたいけど、外部スピーカーを置いてごちゃごちゃさせたくない
- ゲームだけじゃなくて写真や動画などのクリエイティブ作業にも使いたい
はしかん評価
画質 | HDRiや色表現力の高い液晶パネル、そしてアイケア技術で美しい映像を楽しめ、かつ目にやさしい文句なしの画質。165Hzでヌルヌル動くのも◯。 | |
音質 | モニター内蔵スピーカーとしてはかなりの高音質。外部スピーカーを買わなくてもよい使い勝手の良さも◯。 | |
デザイン | いかにもゲーミングモニターという感じのデザイン、背面から見たときの統一感は◯。宇宙船ぽいデザインが好きな方には良いけと好みが分かれるところ。 | |
操作性 | 使いやすいジョイスティックタイプのメニューボタンで直感的に操作可能。メニュー構成もわかりやすくて使いやすい。 | |
拡張性 | HDMIが2ポートあるのとUSBハブ機能も搭載している点は◯。TYPE-Cがないのはちょっと残念。 |
スピーカー内蔵のゲーミングモニターを探している方は候補に入れるべき一台ですよ!
以上、はしかん(@hashikan3)がお伝えしました。
動画レビュー
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